再稼働に「身内」も抵抗、浜岡原発のハードル

再稼働の流れにあらがうのは意外な面々

防波壁の建設が進む中部電力浜岡原子力発電所。2014年2月18日撮影

「原子力を一定規模で活用することは日本にとって不可欠。中長期的にブレない政策を取ってほしい」

全国的に大雪ショックの影響が出始めた2月14日。中部電力の増田博武・原子力部長は、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)4号機再稼働の前提となる国への安全審査申請後に開いた記者会見の席で、こう訴えた。

浜岡原発は、国の要請により2011年5月から全機停止している。当時の菅直人首相は、「浜岡は30年以内の発生確率87%の巨大地震の震源に立地している。事故を起こせば東海道新幹線や東名高速などの大動脈や自動車産業が大打撃を受け、100万人単位の避難が必要になる。そうなれば日本はもたない」と危機感をあらわにした。菅氏は「今でも前提はまったく変わっていない。申請は根本的に間違っている」と息巻く。

だが、再稼働に向けた布石は着々と打たれている。申請を前に、中電側は原子力規制委員会事務局の幹部と接触し、審査は他原発と同じ基準であることを確認。「浜岡は何ら特別な位置づけにない」(水野明久社長)として、他の7電力と同じ「安全審査レース」に駆け込んだ。

現場では、南海トラフ地震の最大想定を反映し、当初計画から4メートルかさ上げした海抜22メートルの防波壁が威容を現している。橋梁技術を応用したという建屋の防水扉、40メートルの高台に設けたガスター

ビン発電機、そして新基準で求められるフィルター付きベントなど、総工費3000億円をかけた大工事が進む。

しかし、再稼働への流れは簡単に進むわけではない。浜岡の安全に疑問を呈する人々がいるからだ。

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