厚生労働省に重要事実「隠ぺい」の疑惑 白血病薬臨床研究で新たなスキャンダルに発展も
大手製薬会社ノバルティスファーマが関与した白血病治療薬を用いた医師主導臨床研究をめぐる不祥事(関連記事を参照)で、新たな問題が浮上している。
厚生労働省の担当部署が研究の中心を担った東京大学医学部附属病院から具体的な不正の内容を聴取した記録を残しておきながら、その内容を伏せた形で別の文書を作成していたことが分かった。
今回、取材の過程で入手した「機密性2」と記載された2月13日付けの厚労省医政局作成の文書には、「事実関係の詳細については承知していない」と記されている。この文書は、厚労大臣や担当局長など上層部にも提出されているとみられ、今後、大きな問題になりそうだ。
重大な事実を明かさない厚労省
実はこの件には伏線がある。この「機密2」文書が作成される3日前の2月10日、厚労省医政局で作成された東大病院への聴取記録には、次のような記載がある。
「なお、未だ報道されていない事実として、医局の技術補佐員が、ノ社のMRの依頼に応じて、全てのアンケート用紙のコピーを渡していた事実あり」
そして、この情報を踏まえたと見られるスクープ記事が13日付けの毎日新聞朝刊に掲載された。
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