味の素 韓国食品大手の攻勢受け苦戦 今14年3月期の営業利益は二ケタ減益に

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このような状況を受け、味の素は13年11月の中間期決算発表で営業利益を下方修正しているが、第3四半期決算発表ではとりあえず、業績予想の修正は行っていない。しかし、相場はさらに下落していることから、減益幅の拡大は必至。現在の会社側の営業利益通期予想680億円達成はきわめて困難な状況といえる。

注目される次期中期経営計画での巻き返し策

ただ、味の素は2月21日に「2014-2016中期経営計画」の発表を控えている。今14年3月期の業績予想は次期中期計画の前提となるため、おそらく、21日の中計発表と同時かその前に、今期の業績予想の下方修正が発表される可能性が高い。

「2011-2013中期計画」では当初2013年の売上高1兆3660億円、営業利益870億円を目標としていた味の素。目標達成に向けこの3年間、コア事業領域とする「調味料・食品」と「先端バイオ・ファイン」関連に経営資源を集中してきた。カルピス譲渡もその一環だ。一方で、海外展開に関してはM&Aや合弁設立などを積極的に行い、順調に海外売上高を伸ばしている。だが、思わぬところで足をすくわれた格好。次期中計でどんな対抗策を打ち出すのか。

田嶌 ななみ 東洋経済 記者

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たじま ななみ / Nanami Tajima

2013年、東洋経済入社。食品業界・電機業界の担当記者を経て、2017年10月より東洋経済オンライン編集部所属。

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