離婚そして禁酒、55歳になったブラピの現在地 最新作「アド・アストラ」に重ねた孤独感

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『アド・アストラ』は、彼が感じていたのかもしれない孤独と向き合う手段だったのだろうか。「事実として、人は皆、痛みや悲しみ、喪失感を抱えている」と、彼は言った。「ほとんどの時間、そうしたことは隠されている。でも、そこにあるのは事実だ。自分の中に存在し続けているんだ。だったら、閉じられた箱を開けるべきではないだろうか」。

ピットの11年に及ぶジョリーとの関係は2016年9月に終わったと伝えられている。プライベート機上で彼の飲酒について言い争いになったのだ。現在、ピットは全力を尽くして禁酒している。「自分にできる限り何事も受け入れるようにした。そして、飲酒の権利は放棄した」と、彼は語る。ジョリーが離婚を申請した後、ピットは断酒会「アルコホーリクス・アノニマス(AA)」に1年半の間参加した。

メンバー誰もネタをタブロイド紙に売らなかった

ピットが参加したグループのメンバーは全員男性だった。彼は、メンバーたちの傷つきやすさに心を動かされた。「私が今まで見聞きしたこともないほど心を開いて正直になった人たちがぐるっと座っていました」と、ピットは言う。「審判されることはまずないい安全な空間だった。だから、自分をそれほど責めなくても済むんだ」。

驚くべきことに、グループの誰もピットのストーリーをタブロイド紙に売ったりしなかった。参加していた男性たちは互いを信用していたのだ。そして、その信用こそがピットの心を浄化し、癒やしたのだった。「実際、自分の醜い面をさらけ出すと、とても解放された気分になる」と、彼は言う。「そこにはとてもすばらしい価値があった」。

最近、ピットは演技を「若者たちの競技」と呼んでいる。50代半ばになって、自身が次第にほかの芸術性の探求に引かれていることに気づいたのだ。彼はプロデューサーとして多くの作品を手がけている。「プロデュース業なら、ひどく早起きしてメーキャップしなくてもいいんだよ」と、ピットは言う。

そして、デデ・ガードナーとジェレミー・クライナーと共に運営している製作会社のプランBは、『それでも夜は明ける』や『ビール・ストリートの恋人たち』『グローリー/明日への行進』といった作品に携わっている。

ただ、彼は、このストリーミング時代におけるエンターテインメントとしての映画の将来についてそれほど楽観的ではない。「映画が生き残れるのか、このままあり続けるのか、興味がある」と、ピットは言う。彼が確言できるのは、彼自身が映画の主演はあまりしなくなるということだ。

「自分に関する限り、主演作は少なくなり、また間隔も開いていく。今は、ほかにやりたいことがいくつかあるからだ」。今の彼は彫刻や造園にも興味を持っているのだ。「何かをついに両腕でしっかりつかまえたと感じたら、ほかの何かをつかまえに行くときが来たということなんだよ」。

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