この夏、アメリカ人の友人ジョンと10年ぶりに再会しました。長めの夏休みが取れたらしく、「日本に来る」と連絡をもらってからここ数カ月ずっと楽しみにしていました。ところが、再会後1時間もしないうちに言い争いになって、険悪ムードに……。きっかけは、ジョンが「Why can’t Japanese people speak English?(なんで日本人は英語ができないんだよ)」と、旅行中の愚痴をこぼし始めたこと。
年々日本を訪れる外国人が増えていますが、私たちが彼らに英語で話すべきなのでしょうか。それとも、彼らが日本語を話すべきなのでしょうか。どちらにも理があるように感じますが、今回は国際共通語としての英語ということについて少し考えてみたいと思います。
日本に来たんだから、日本語で話してよ
筆者は英会話教師をしていますので、「日本に来た外国人と英語でどんどん話しましょう」とふだん生徒たちには話しています。そのくせ、ジョンが「日本人は英語ができない」と文句を言いはじめたら、妙に腹が立って「Well, why don’t you speak Japanese then, since you’re in Japan? (だったら、日本語で話せば? 日本に来たんだし)」と、ムキになって言い返してしまいました。筆者もアメリカに行ったら英語を話すのだから、ジョンだって日本に来たんだから日本語で話してよ!とまるで小学生のけんかみたいに(笑)
筆者のへりくつは置いておいても、やはり訪問した国の言葉を話すべきという意見にも一理あると思います。もちろん、完璧にその言語を使いこなさなければいけないということではなく、ガイドブックを見ながらでもいいので、せめて現地の言葉でコミュニケーションをとろうとチャレンジする姿勢はあってもいいのではと思うのです。
そうは言いながらも、筆者が非英語圏の国に旅行に行ったときのことを思い返してみると、確かに簡単なあいさつや決まり文句などを現地の言語で覚えて言うようにはしていましたが、基本は英語でコミュニケーションがとれるものだと思っていたところがありました。ジョンに腹を立てた自分も、同じような誤解を与えていたかもしれませんね。まあ、強いて自己弁護させていただければ、英語が通じないときにも文句は言いませんでしたけれどね。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら