男は野球、女はままごとで仕事を学んだ 「体育会系女子」が企業から重宝される理由

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目指すべきは「両利き」

ちなみに、冒頭に挙げた書籍の結論は、「会社のルール=男たちのルールなのだから、女性も会社で働こうと思うなら『野球』に対応しなくてはいけない」というもの。ですが、女性が一方的に男性のルールに合わせ、男性は何もしなくていい、というのは少々アンフェアに感じます。

 ビジネスのあり方も相手も多様化している現在、さまざまな立場の人とマルチに協働することが求められています。いわば「オレは野球一筋だから」と言っていられないわけで、時にはバスケット選手とコラボし、時にはストイックにマラソンに打ち込み、時にはままごとを円滑に取り仕切らなければなりません(あくまで比喩ですが)。

 ですから、男性・女性に限らず「野球」も「ままごと」も両方できる、いわば「両利き」を目指すべき。両方の感覚を身に付けたうえで、あらゆる場面において、今は「野球」的献身が求められているのか、はたまた「ままごと」的親和が求められているのか。その時々に応じた振る舞いを心掛けるようにしたいものです。

五百田 達成 作家、心理カウンセラー

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いおた たつなり / Tatsunari Iota

米国CCE,Inc.認定 GCDFキャリアカウンセラー、株式会社 五百田達成事務所代表。35万部を突破した察しない男 説明しない女シリーズ、『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂、博報堂生活総合研究所を経て独立。「コミュニケーション心理」「職場の人間関係」を主なテーマに執筆や講演を行う。

 

 

 

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