ココイチ社長が激白!「聖地」インド進出の勝算 日本式カレーはインド人に通用するのか

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――女性をつかむのがカギだった、と。

当時は、クリスマスやバレンタインの日に売り上げ新記録が出たものだ。日本だったらありえない。進出から5年ほどは女性客が7割近かった。女性は結局、男性を連れてきてくれる。男性客はそれを食べて、今度は男性の友達と来てくれるようになった。

――それはほかの国にも応用できたのですか。

中国で海外のパッケージができて、台湾や韓国、タイなどにもそのパッケージを広げていった。海外で180店舗を展開しているノウハウを生かし、インドでも現地に合うデザインやメニュー構成を考える。インド1号店の店舗設計は、日本人のデザイナーにお願いした。

まだまだ国内出店の余地はある

――現在、国内1264店、海外180店を展開しています。いずれ海外を国内並みに増やしていくのですか?

私が社長を務めている間にそうなるかどうかはわからないが、将来的には海外店舗数が国内を上回るくらいにしていきたい。無理な数字ではまったくない。

壱番屋の本社は愛知県一宮市の住宅街にある。「本部にお金をかけない」愛知企業らしさが感じられる(撮影:梅谷秀司)

――国内は出店余地が少なくなってきているのでは?

例えば、愛知県(166店、2月末時点)と東京都(179店、同)を比べると、店舗数はあまり変わらない。しかし、人口や市場の潜在力は東京のほうがまだまだある。ということは、今のココイチでも出店できる余地はある(ということだ)。ただ、昔みたいに「300店行くぞ」とか「1000店舗目指そう」と目標店舗数を立てて、そこに猛進していく時代ではない。必要に応じていいところがあれば出店をしていきたい。女性向けの新業態も考えている。

――インバウンドの取り込みも意識されていますか。

外国人のお客にとって入りやすい店かどうかは、言葉の問題が大きい。私が中国に駐在している頃に、日本に留学経験のある中国人スタッフと話すと、「日本にいたときに私は松屋によく行っていた」と言う。「松屋だと券売機なのでしゃべらなくていい」と。「そのときの味を覚えているから、今でも牛丼を食べたいと思ったら松屋の味を思い出す」と言う。

なるほど、そうだよね、と。今は訪日外国人客が増えているので、できるだけ会話が少なく、安心していろんな注文ができるような券売機や端末システムの導入を考えたい。

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