「東大生の記憶術」は意外と簡単にマネできる 「多くのことをすぐ覚える」たった1つの方法

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東大生が優れているのは、こうやっていろんな知識を結び付ける能力です。一つひとつを暗記していくのではなく、いっぺんにいろんなものを暗記できるように、つながりを意識するわけです。

東大生は「流れ」を重視する

また、これを発展させて、東大生は「流れ」を非常に重視した勉強をします

例えば、日本史や世界史の教科書には、章のはじめに「この時代はどんな時代なのか」が書いてあるページがあります。「平安時代はこういう時代で、だからこういうことが起こったんだよ」というような、その時代の背景・流れが明記されているページがあるのです。

このページには、大まかな流れが書いてあるだけで具体的な情報が少なく、多くの受験生はここを読み飛ばす傾向があるのですが、東大生は違います。東大生の使っていた教科書を確認すると、この部分にマーカーや付箋が付いていることが多いのです。

時代背景が書いてあるページをしっかり読み込んで、大まかな「流れ」を理解し、ほかのものとの「つながり」や「流れ」の中で一つひとつの出来事がどのように位置づけられるのかを理解していくのです。

先ほどの例で言えば「19世紀には、各国で産業革命が成功しつつあり、工業力をつけた国が帝国主義でいろいろな国と貿易を求めていった」という流れをしっかり把握したうえで、「だからその真ん中の1853年に、ペリーが日本に来航したんだな」と理解するのです。

そうすることで、1つの出来事として暗記を終わらせることなく、多くのものを流れの中でいっぺんに覚えていくことができるのです。

そしてこれは、東大入試でも重視されます。東大は、国語だけでなく社会科でも、「この文章を読んだうえで、この部分を解釈しなさい」という問題が出ます。また、「この時代を概観したうえで、この出来事について論述しなさい」というような、流れやつながりを論述させる問題が多いのです。

英語や国語、社会や理科、さまざまな科目で、こうした問題が出題されているのです。だからこそ、東大生は普段から流れやつながりを意識する勉強をしているのです。

これは、人間の記憶のプロセスから言っても理にかなっている方法です。

例えば、脳科学の世界では、人間が人の顔を覚えるとき、一人ひとり個別に「Aくんの顔」「Bくんの顔」というふうには覚えないと考えられているそうです。

あらかじめ、「男性の顔」のイメージを作っておき、それを元に「Aくんはメガネをかけてたからこういう顔」「Bくんは普通より目が大きいからこんな顔」と、イメージに特徴を掛け合わせて覚えているのだそうです。

次ページ情報を「大元のイメージ」と「個別情報」に分ける
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