任天堂、「勝ちパターン」が逆回転

「据え置き」「携帯」の統合モデル構築へ

1月28日、3期連続の営業赤字に陥る任天堂が、事業構造の転換を迫られている。都内の家電店で20日撮影(2014年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 28日 ロイター] -3期連続の営業赤字に陥る任天堂<7974.T>が、事業構造の転換を迫られている。据え置き型ゲーム機「WiiU」の販売不振によって、赤字覚悟でハードを普及させ利益率の高いソフトで回収するというこれまでのビジネスモデルが機能しなくなっているためだ。

当面は、高騰するソフト開発費を削減するのが急務。並行してスマートフォンなど競合機の拡大に対抗するため、据え置き型・携帯型のゲーム機の開発統合を軌道に乗せ、次世代の収益モデルを構築することが重要な課題になる。さらに「マリオブラザーズ」など任天堂のソフト資産を生かしたビジネスを立ち上げられるかどうかも、同社の今後を左右しそうだ。

「勝ちパターン」が逆回転

WiiU不振の要因は「ソフトの投入不足」に集約されている。2012年末の発売当初は、自社の主要ソフトが2本にとどまり、立ち上げでつまずいた。次の大型ソフト投入では13年夏の「ピクミン3」まで半年間のブランクが生じ、本来ならWiiUの新規投入とともに発売が期待されていた「Wiiスポーツクラブ」や「WiiフィットU」の投入は13年秋まで延びた。

今期に入って任天堂の岩田聡社長は「有力ソフトを出して挽回する」と繰り返し強調。だが、この間に「WiiUには遊べるソフトが少ないというイメージが定着してしまった」(国内証券会社)という。

任天堂は、昨秋から海外でハードの値下げに踏み切り、国内でもソフトとのセット販売で実質値下げをしたものの、一度止まった流れに再び勢いを取り戻すことはできなかった。

任天堂に限らず家庭用ゲーム機の基本戦略は、赤字覚悟でハードを安く普及させ、利益率の高いソフトで回収するモデル。しかし、ハードの普及につまずけば、そのモデルは逆回転し、販売不振を背景に値下げへと追い込まれ、さらに赤字は拡大する。

最も深刻なのは、サードパーティから魅力的なゲームが集まらなくなることだ。昨年9月に死去した前社長の山内溥氏は「お客はゲーム機が欲しいのではない。ハードはソフトを遊ぶために仕方なく買っている」という言葉を残したことで知られているが、今の任天堂はまさにソフト不足に悩まされている。

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