女性の貧血を「自己責任」と切り捨てる人の盲点 日本では健康な女性でも2割以上が対象に

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貧血と一口に言っても、さまざまな種類があります。健康管理は自己責任という話で片付けていいものでしょうか(写真:maroke/PIXTA)

世界で20億人に上ると見られている、貧血患者。栄養状態の十分でない発展途上国を中心とした問題だが、日本でも、健康な女性の2割以上が貧血という調査結果が公表されている。

健康管理は自己責任──。そうした風潮もある中、貧血について社会でもっと考えるべきだと訴える、ナビタスクリニック内科医の山本佳奈さんに話を聞いた。

女性の2割以上が貧血というデータ

2006年、虎の門病院血液科の久住英二医師らが発表した、貧血に関する調査があります。

当記事は「リディラバジャーナル」からの転載です(元記事はこちら)。同サイトは有料会員制メディアです。リディラバの考え方はこちらをご覧ください。

健康な日本人女性約1万3000人を対象に行ったこの調査によると、50歳未満の22.3%が貧血で、そのうち25.5%、つまり全体の5.6%は重度の貧血でした。

私も2016〜17年に、中国・上海と日本・東京で、20〜44歳の女性を対象に貧血について調査しました。

上海では調査対象2006人のうち14.8%、東京では877人のうち11.4%が貧血でした。

明確な定義があるわけではないのですが、人口の10%が罹患する疾患というのは、医師の感覚的には患者数の多い部類といえます。

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