不登校からトップブロガーになった30歳の稼業 「やしろあずき」がウェブ漫画に見出した鉱脈

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「スタバで見た小学生達の話」という、やしろさんがスターバックスコーヒーで実際に見た小学生たちを描いた4コマ漫画(筆者撮影)

「バズった拍子に、一瞬だけウェブの収入が会社の給料を抜いたことがありました。それで

『もういいや、辞めよう』

って思って、そのまま辞めちゃいました。でもその後はなかなかうまくいかなくて苦労しましたね」

複数の媒体で連載をして、なんとか月20万~25万円の収入を得た。食べてはいけるが、決して楽ではない。

そんな頃、世の中では影響力のある人間“インフルエンサー”を対象にしたビジネスがはやり出してきていた。

わかりやすく言えば「SNSのフォロワー数が多い人にお金を払い、宣伝をしてもらおう」というビジネスだ。

「インフルエンサービジネスにうまく乗れたって感じですね。

PR漫画は原稿料が高いです。普通の媒体だと1本描いて3000~1万円程度でした。でもPR漫画なら1本描いたら20万円でした。自分に価値がつけば値段は上がっていきます。

現在は1本200万円以上になっています。これだったら食べていけるかもしれない、と思いました。収入はなんとか安定したので結婚することにしました。

ただPR漫画ってやっぱり商品の宣伝が基本なので、好きなことは描けないんですね。やっぱり自分の漫画も描きたいと思いました」

やしろさんは、ライブドアブログで公式ブロガーとして漫画を描くことにした。

紙媒体で漫画を描きたいという思いも

これが人生の第2の転機になった。

ライブドアブログの公式ブログ「やしろあずきの日常」(筆者撮影)

「公式ブロガーとして『やしろあずきの日常』をはじめて1年で、グランプリになることができました。公式ブロガーはアクセス数に応じてお金がもらえます。相応の報酬をいただいています。

僕は、いわゆるユーチューバー的な稼ぎ方をしていると思います。普段は日常的な漫画を描いて、たまにPR漫画を描くというスタイルです」

漫画といえば、雑誌や単行本のイメージがある人が多いだろう。実際、やしろさんも、『月刊コロコロコミック』のファンだったから紙媒体に対する思い入れはある。

次ページ紙媒体はウェブ媒体に比べて、締め切りが厳しい
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