スカイマークはこうやって消耗戦から脱する 西久保社長が語る、航空業界で生き残る術(すべ)

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フランスでスカイマーク仕様のA330を披露する西久保社長
新興エアラインの“元祖”、スカイマークが今年、大きな勝負を仕掛ける。
現在は全路線でボーイングの小型旅客機「B737」型機を使用しているが、新たにエアバスの中型機「A330」を導入し、羽田空港発着のドル箱3路線で投入を始める。さらに、年末には世界最大の総2階建て旅客機「A380」を導入し、国際線(成田―ニューヨーク線)にも新規参入する。(関連記事:エアバスとミニスカ、スカイマーク仰天戦略
昨年末にフランスのエアバス工場でA330型機の披露会見を行った西久保愼一社長に、スカイマークの今後の戦略を聞いた。

快適さを最優先に

――A330導入の具体的なスケジュールは?

機数は全部で10機、すべてオペレーティングリースで導入する。まず2機でスタートし、2014年中には全部で6機、残り4機が15年の導入になる。3月22日から羽田―福岡線へ、およそ半年後に沖縄線へ投入する。さらに新千歳線にも、という流れだ。

A330では、今までとまったく違った試みをやる。従来のシートを廃止して、全席を広めのプレミアムシートにする。シートピッチ(前後の席の間隔)は38インチとし、国内の一般的な標準座席より8インチ、20センチメートルほど長くした。

横幅も広くなっている。また、シート素材もあえて布張りにした。布のほうがすべらないし、お尻が落ち着く。レザーよりもメンテナンス費用がかかるが、快適さを優先した。実際にこの新しいシートを一度体験してもらえれば、きっと快適さを感じてもらえるはずだ。

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今回新たに導入されるプレミアムシート

――シートを広くする分、A330導入路線の運賃値上げはあるのか。

今回のA330導入とは関係なく、今後、運賃は見直す必要があると考えている。

円安で燃料コストの負担が増しており、そろそろ上げていかないと収益が出にくくなっている。これは他社も同じ状況だ。今後、若干の値上げはやむをえないと思っている。

A330導入路線に関していえば、プレミアムシート導入を理由に普通運賃を値上げするつもりはないが、(早期予約割引の)割引率を従来より多少下げることは検討している。

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