選手村マンション「晴海フラッグ」に渦巻く賛否 モデルルーム潜入!本当の価格とリスクは?

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担当営業員による物件概要の説明、紹介映像の視聴、モデルルームの内見、といった新築分譲マンションにはつきものとなっている一連の“儀式”を終える。すると営業員は、「いよいよお待ちかねの……」と前置きして、価格帯と販売住戸についての具体的な説明に入った。

4145戸の晴海フラッグの住戸のうち、初回の販売では、南側街区(SEA VILLAGE)5棟中3棟、南西側街区(PARK  VILLAGE)7棟中4棟が対象になる。住戸数に換算すれば、700戸弱が第一期の販売対象になる。

「晴海フラッグ」の部屋の平均面積は84㎡と、一般的な都内の分譲マンション(60㎡台前半)よりも広い(4月23日、記者撮影)

南側街区3棟は、3LDK(85~96㎡)で7000万円台後半から8000万円台後半、4LDK(95~127㎡)で8000万円台後半から1億3000万円の幅だった。南西側街区4棟は、3LDK(75~92㎡)で6000万円台前半から1億1000万円、4LDK(87~106㎡)で6000万円台前半から1億3000万円、という価格帯だった。

平均坪単価はおよそ302万円という計算となり、近隣で分譲中のマンションと比べて平均的には割安感がある。住友不動産が販売中のタワーマンション「ドゥ・トゥール」で平均坪単価366万円、「ベイサイドタワー晴海」で坪単価396万円、三井不動産の「パークタワー晴海」も坪単価344万円となっている。

坪302万円は割安だが、物件ごとに価格差も大

ただし実際は、個々の物件ごとに大きな価格差がある。ベランダから東京湾とレインボーブリッジが一望できる南西側街区の14階建てA棟は、晴海フラッグの中でも特等席という位置づけだ。価格帯は「億ション」がズラリと並び、低くて9100万円からの価格設定だった。他方、「この部屋は安すぎて予約が殺到しそうだ」と営業員が指し示したのが、南西側街区C棟にある4LDK(87㎡)の部屋である。ベランダから海が望めない分、東京都中央区では破格の6400万円に設定している。

終わり際、値引きの可能性があるかを訪ねてみると、営業員は「ありません」と即答した。「まだ案内を始めたばかりで、実際の引き合いはわからない」としつつも、売れ行きに自信を持っている様子がうかがえた。

モデルルーム訪問を終えて帰途につく顧客に感想を訪ねてみた。

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