東大生の「英作文テク」が実践的でスゴすぎた 「知識量」ではなく「活用法」が決定的に違った

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さて、英文読解のテクニックをわかっていただいたうえで、いよいよ「英作文」です。東大生はどうやって、非常に長い分量の英作文に対応しているのでしょうか?

英語の文章を、ラクに書けるようになる方法

僕はこの答えを、実はもうご紹介してしまっています。読解のところで「英文の型」についてお話ししましたが、英作文はこの「型」を駆使すればいいだけなのです。

英作文テクニック1:徹底的に型をマネよう!

例えば1500words以上の英語の論文を作らせる東大の授業では、1から「じゃあ頑張って作ろう!」というわけではありません。英文の型を提示し、「さあ、この型に沿って1つずつ作ってごらん?」という授業を展開していくのです。

「序論」に「問題提起」、「本論」に「結論」……1つの文章を構成する要素を分解し、その分解された「型」に沿って論文を作成していくのです。以前の記事(東大生が教える「文章が苦手」が一瞬で治るコツ)でもご紹介しましたが、文章なんて型通りにモノマネして書けばいいのです。一から文章を作ろうと苦労するのではなく、どうすれば今まで学んでいた「型」に当てはめて文章を作れるかを考えるほうが、きちんとした文章が作れるのです。

英作文テクニック2:文章をマネして応用しよう!

また、英作文において東大生がモノマネしているのは「型」だけではありません。東大生は、「使える英語の例文」を暗記して、それを応用することで文章を作成していることが多いです。

例えば「Leaning a foreign language broadens my horizons(外国語を勉強することは、私の視野を広げてくれる)」という英文を暗記しておけば、「Leaning a foreign language」の部分を他の単語に入れ替えて、「〇〇は私の視野を広げてくれる」という文を作りまくることができますよね?

また「my horizons(私の視野)」を「your horizons(あなたの視野)」とか「students’ horizons(学生たちの視野)」とかに替えることで、また全然違った文章を作ることだってできます。

英文1つひとつも、一から作ろうと考えて英語の勉強をするのではなく、「元からある応用しやすいもの」を覚えて、それを英作文に応用しているのです。

なので東大生の中には、英語の文章を読んでいるときに「この文は使い勝手がよさそうだ」と思った文章は書き写しておき、自分の文章に利用するという勉強をしている人もいます。事実、僕もこの方法を試したことによって、東大入試の英作文や英語論文作成に対応することができました。

まとめると、次のとおりです。

・「英文読解」で理解した「文章の型」を利用して、構成要素ごとに文章を作っていく
・使えそうな英文を暗記し、それを応用して文章を書く訓練をする
・普段から、使えそうな英文を見つけたら書き写し、後から利用できるようにする

これが東大生の英作文テクニックです。

いかがでしょうか? このように東大生は、英語の知識量ではなく、少ない知識の中でいかにそれを活用して文章を読んだり、文章を書くのかに焦点を当てて勉強しているのです。

このテクニックは、別に英作文に限ったことではありません。日本語で作文をするときにも、まったく同じことが言えます

よくある「文章の型」を理解し、その通りに書く。使えそうな表現を暗記し、それを応用してみる。使えそうな表現は書き写し、後から利用できるようにしておく。

そうするだけで、作文が苦手な人でも簡単に文章が書けるようになること請け合いです!

前は僕も、英作文が非常に苦手で、正直1500wordsの論文を書けと言われたときには「絶対無理だ」と絶望していました。しかし、この「型」の考え方を知り、それを気にして文章を読んでいくと、みるみるうちに「なんだ、英作文ってこんな簡単なことだったんだ」と感じられるようになりました。みなさんもぜひ実践して、英作文をラクに書いてみてください!

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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