iPhone自撮りアプリに起きている「ある変貌」 女子は「さりげない自然な加工」に夢中?

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また、どちらのアプリも輪郭や目の大きさをどの程度加工するかを細かく調整し、その設定を保存できるため、次回からは好みのエフェクトをすぐ呼び出せます。お気に入りアプリから離れられない理由のひとつですね。

SNOWブームが始まった頃に人気だった、こってりとした盛りができるほかのアプリは現在身を潜めています。しかし、同じく明らかに盛れていることがわかる「プリクラ」の人気は健在です。

マイナビティーンズラボが2018年11月に発表した「2018年10代女子が選ぶ流行ったモノ」ランキングの7位、8位にプリクラ機の「PINKPINKMONSTER」、そして「これ以上可愛くなってもいいですか」がランクインしています。「プリはプリだから思いっきり盛れるほうが楽しい。全身も入るし」と、新しい学校の制服で集まり、撮影する女子高生たちもいました。

「足を長くする」加工も

最近のSNSは写真だけでなく、動画もシェアします。TikTokにもAIによるビューティ機能があり、顔には106個のポイント、体には17個のポイントを設定してリアルタイムでの加工を施しています。彼女たちが足を長くする加工をしているなんて、ご存じでしたか?

女子たちにとって写真を盛ることは当たり前で、ある種遊びのように「これは盛れたね」「これ○○ちゃんかわいい」と友達同士で言い合っています。とはいえ、あまりにもあからさまな加工をシェアするのは少し気恥ずかしいのでしょう。日常との差をあまり大きくしたくないという気持ちから、「現実カメラ(スマホのカメラ)」を愛用する女子高生もいました。

「さりげない盛り」の流行、プリクラで施される大げさな加工、そして現実を映すスマホのカメラ、この3つがどう共存していくのか、今後の自撮りカルチャーに注目です。

鈴木 朋子 ITライター・スマホ安全アドバイザー

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すずき ともこ / Tomoko Suzuki

メーカー系SIerのSEを経て、フリーランスに。SNSなどスマートフォンを主軸にしたIT関連記事を多く手がける。10代の生み出すデジタルカルチャーを追い続けており、子どもの安全なIT活用をサポートする「スマホ安全アドバイザー」としても活動中。著作は『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)など多数。
http://tomoko.chu.jp/

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