靖国参拝で露呈した、戦略なき安倍外交 なぜ中国の仕掛けた「古いワナ」に、自らはまるのか?
安倍首相が靖国神社を参拝した。「2014年正月の参拝説」などもあったが、首相は第一次安倍政権時代に参拝できなかったことを「痛恨の極み」としていた。7月の参議院選挙での大勝で基盤が固まった首相としては、「政権から1年での参拝」は、政治日程の中に事前に組み込まれていたはずだ。
脆弱な中国の政権に、世論を押さえられるか
安倍首相は、以前から参拝について「戦略性」を強調していた。問題はそれが「どの程度」のものなのかだ。参拝によって「予想されるリアクション」を全て考慮に入れて、本当に動いているのか。もし、そうでなかったとしたら、あまりに思慮がなく、非常に危険だ。
中国の習近平政権は、ポピュリズムの上に成り立っており、実は非常に脆弱だ。「小康状態」だった靖国の問題に再び火が付き世論が沸騰したら、それを押さえきれない。当然、政権としては、世論が沸騰する前に何らかの措置をとらざるをえなくなる。また当然のことながら、今回の参拝は軍関係者を中心に、「対日強行派」を勢いづかせてしまう根拠を与える。「やはり日本は話ができるような相手ではない」という論理がまかりとおる危険性が増す。
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