竹中平蔵「アベノミクスは2014年が正念場」

構造改革は進むのか

12月26日、慶應義塾大学総合政策学部の竹中平蔵教授は、ロイターとのインタビューに応じ、2014年はアベノミクスの成否を占う重要な年だと指摘。写真は4月撮影(2013年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 26日 ロイター] - 慶應義塾大学総合政策学部の竹中平蔵教授は、ロイターとのインタビューに応じ、2014年はアベノミクスの成否を占う重要な年だと指摘し、海外投資家から理解を得るには法人税の引き下げや生産年齢人口の確保などわかりやすい政策が重要と強調した。

特に2%の経済成長を実現するには生産年齢人口の不足が明らかだと指摘した。竹中氏は国家戦略特区諮問会議委員に選ばれており、特区で雇用などの岩盤規制に切り込む意欲を強調した。

日本経済の回復には、2020年開催の東京五輪の効果も重要だとの見解を表明。経済効果は東京都が試算する3兆円よりも「6─7倍は大きくなる」との見通しを示した。年金積立管理運用独立法人(GPIF)の改革については、竹中氏が菅義偉官房長官に提言したと明らかにしつつ、GPIFが株式運用比率を急拡大するとの市場期待は「やや性急」とも語った。

また、来年4月の消費増税後の経済の動向次第では、日銀が追加緩和に踏み切る可能性もあるとの見解を示した。

詳細は以下の通り。

──これまでのアベノミクスの評価は。

「1年間で株価(日経平均<.N225>)が66%上昇した。バブル期後半の年平均株価上昇率の6割を上回っている。よくやったと評価すべき。ただ、株価の水準は1万6000円と第1次安倍内閣の1万8000円には届いておらず、まだまだやるべきことがある」

「アベノミクスの3本の矢は、理論的に100%正しい。しかし実行は難しい」

「1本目の矢である金融政策は、効果が出るまで2年待つ必要がある。場合によっては第2弾もあるかもしれない」

「2本目の矢は、短期的な財政拡大は実現したが、中期的な財政再建は具体的な姿が見えていない。3本目の成長戦略は、はっきり言ってまだ仕掛かり中。岩盤規制にはほとんど手が付けていない。3本の矢のうち1本半が放たれて、1本半が仕掛かり中。残り1本半をうまくやらないとアベノミクスの矢が途中で折れてしまう。2014年は重要な1年になる」

──海外投資家の間では、成長戦略への懸念や失望感もある。

「望みは2つある。1つは特区が認められたこと。これまでの特区と異なり、国と地方と民間でミニ独立政府のように自由にいろいろなことを決めることができる。非常に野心的だが、国会を通ったことでうまく使えば岩盤規制の突破口になる」

「例えば、北海道のある村は、外国人労働者を入れて農業を再生したいと提案しており、面白い提案からニーズを拾い上げ、特区で実現できることを広げていきたい」

「もう1つは東京五輪。東京都は経済効果を3兆円としているが、私は間接的な効果も含めればその6─7倍あるとみる。五輪開催は経済・社会を変える効果がある。東京の青山通りに人が集まるにようになったのも、冷凍食品や警備会社が普及し始めたのも、前回の東京五輪開催がきっかけ。金融政策でデフレが解消し、五輪でワクワク感が出てくれば経済・社会が花開く」

「カリフォルニア大のローズ教授の研究によると、1950年以降五輪を開催した全ての都市で改革が進んでいる。格好の悪い規制は続けられない、とのメンツ効果も働く」

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