新卒でないと入りにくいが、勤続年長い143社 平均勤続年数15年以上、新卒比率8割以上対象

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コーセー(新卒採用73人)は、大卒30歳平均賃金37万535円、平均年収835.3万円と高いレベルにある。20時一斉消灯などの残業削減の取り組みにも積極的だ。四国銀行(同67人)は高知県を地盤とした地方銀行。女性管理職比率は15.1%と女性活躍が進んでいる。

大建工業(同62人)は住宅資材の総合大手。パソコンの起動時間を朝7時から19時30分までの12時間30分に制限する取り組みなどで、残業時間は月11時間と低い水準を達成している。このほか、日本郵船(同53人)、丸井グループ(同51人)が100%だった。

続いて、100%未満の会社を見ていこう。9位は99.2%のさいたま市が本店の武蔵野銀行。新卒採用117人に対して中途採用1人だった。2017年度の育児休業は女性26人に対して男性は短期ながら31人が取得。子育てをしながら働くことは普通で、女性管理職比率も18.5%(195人)と高い。

10位はNECソリューションイノベータの99.0%。新卒288人、中途3人だった。2017年度の有給休暇取得率は71.3%で年々上昇している。

新卒採用数が最も多かったのは41位トヨタ自動車(94.1%)の1597人。続いて、60位新日鐵住金(91.8%)の1102人だった。

平均勤続年数は、46位キヤノンマーケティングジャパン(93.4%)の23.9年、63位中国電力(90.9%)の23.8年、142位富士通マーケティング(80.8%)の23.5年などが長かった。

年1700人採用のトヨタは新卒採用比率94.1%

新卒・中途採用数をいずれも回答した888社(採用数ゼロの2社は除く)の新卒採用占有率は64.8%。ちなみに昨年は66.8%(同852社、『CSR企業白書』2018年版に掲載)だった。『CSR企業総覧』は日本を代表する大手企業を多く掲載しているが、そうした会社の採用は、まだまだ新卒が比較的多いことはデータからも言える。

特に今回紹介している会社は、新卒採用比率が高いだけでなく、勤続年数も長く、辞める人が少ないという特徴もある。そのため、会社が大きく成長しない限り、中途の採用余地が広がるのは難しいかもしれない。

優秀な学生を新卒として採用し、じっくり育てて長期雇用していく会社はいまだに主流だ。これを「良い悪い」と言うのは専門家に任せて、就職活動を進める君たちはこうした事実を知っておき、より多くの会社を調べる努力をした方がよい。

もし、行きたい会社があり、新卒採用が中心であれば、今は全力で就職活動をしておくべきだろう。もちろん後からでも可能性はゼロではないが、できるときにしっかりやっておくことは社会人になっても大切な心構えだ。ぜひ、参考にしていただきたい。

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