赤字なのに急騰するミクシィ株の謎 スマホゲーム「モンスト」は本当にヒットするのか

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「ガンホー・オンライン・エンターテイメントの『パズル&ドラゴンズ(パズドラ)』と同様、モンストが大きくヒットすることを想定した買いが入っていると考えられる」とエース経済研究所の安田秀樹氏。12月中旬のアンドロイド版リリース後、ダウンロード数が順調に伸びれば、株価上昇はしばらく続くかもしれない。

ただ、モンストがミクシィを赤字から復活させる強力な切り札になるかどうかはまだわからない。モンストはアップルのアプリ配信サイト「アップストア」の売り上げランキングで、現在30位周辺。まだ上位に入っているわけではない。

過度な期待が剥落するかも

月5億円以上の課金収入(年商60億円)が見込めるようなドル箱タイトルとなるためには、一般的には「アップストア」と米グーグルのアプリ配信サイト「グーグルプレイ」の両方の売り上げランキングで10位以内に入ることが必要とされている。

クレディ・スイス証券の中安祐貴氏は「アンドロイド版がリリースされてから1カ月くらい経って、売り上げランキングがあまり上がらないようであれば、投資家に持たれている過度な期待が剥落する可能性がある」と指摘する。

ミクシィ株の急騰ぶりは、かつて盛り上がったガンホーやコロプラの上昇ペースをもしのぐが、これはあくまで期待値。まだ現状では、モンストのヒットが確定しているとは、とても言えない。第2、第3のパズドラを目指そうと努力中の数多くのアプリの1つに過ぎない、との見方もできる。

勝負は12月中旬のアンドロイド版の投入後に行う予定の積極的なプロモーションが成功するかにかかっている。投資家の期待に実体が追いつくことはできるのか。間もなく、その答えが表れる。

長谷川 愛 東洋経済 記者
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