朝だけじゃない「夜の満員電車」改善されたか 各社増発…努力が足りない鉄道会社はどこ?

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次いで、日中と夜間の運転本数を比較した。21~22時台は日中の比較的すいている時間帯より多い路線が目立ったが、23時以降はほとんどの路線で日中よりも少なくなる。

23時台で日中より本数が多い、あるいは同じなのは、東武伊勢崎線(北千住発下り)、東急田園都市線(渋谷発下り)、東京メトロ丸ノ内線(新宿発荻窪方面)、東京メトロ東西線(大手町発西船橋方面)、東海道線、横須賀線(ともに東京発下り)、常磐線快速(上野発下り)、山手線(新宿発池袋・上野方面)、日暮里・舎人ライナー(日暮里発下り)の各線だ。

深夜になれば利用者は減るため、時間が遅くなるにつれて列車の本数も減るのは当然である。実際に乗ってみると、東武、西武各線やJRの上野発高崎線・宇都宮線などは日中と同じかやや少ない程度の本数で、混み具合は日中より多少混んでいる程度であり、利用実態に合わせた本数になっていると感じた。都営新宿線は8両編成から10両編成への増結が進んでおり、10両の列車は快適であった。

中央線は深夜も混む

だが、混み合う割に本数が少ないと感じられる路線があるのも事実だ。

たとえば、秋葉原22時台発の総武線各駅停車はまだかなりの利用者がいるが、西船橋方面も中野方面も日中は毎時11本、21時台は12本あるのに対して一気に9本に減る。首都圏の路線の中では終電の時間が遅いことで知られる中央線も、新宿発24時台は各駅停車、快速、特別快速すべてを足しても9本で、日中の25本(快速と各駅停車を合わせた本数)に比べれば約3分の1である。

もっとも、24時台に9本運行しているのは比較的多いほうである。だが、中央線はもともと利用者が多いこともあり、この時間帯の各駅停車は朝ラッシュ時のような混雑ぶりだ。

また、中央線のネックは遠距離利用者の「有効本数」が決して多くないことだ。有効本数とは「ある目的地に行くのに実際に有効な(使える)列車の本数」のことだ。

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