黒板を黙々と書き写す板書の大きすぎるムダ 成績がいい子はノートの取り方にコツがある

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さらに、書き写すときに「先生見えません~」と言った経験がある方もいるのではないでしょうか。ということは、見えないと書けないわけで、「先生が説明している内容と、黒板に書いてある内容が違う」のです。

そのような状況では、ますます、黒板に書いてあることをただ写すことはほとんど意味がないといっていいのではないでしょうか。それよりもノートは誰かにコピーさせてもらって、自分は授業中、先生の話をよく聞いていたほうが、よほど理解も進み、結果としてできるようになると思いませんか?

このノートを取るということに疑問をうっすらと感じている子どもたちもいます。そういう子はノートをとることに意味を感じていないので、先生の話を聞くことに集中していたりします。または、逆にただ遊んだり、ふざけたりする子もいます。

さらに、もう1つ問題があります。それは、ノートの取り方を教えてもらっていないということなのです。年度の初めにノートの取り方というプリントを渡して説明してくれる先生もいるようですが、筆者の記憶ではそのような経験はほとんどなく、また筆者が指導してきた子どもたちに聞いても、保護者に聞いても、ほとんどないと言っています。

なぜノートの取り方を教える必要がないかといえば、ただ黒板を書き写せばいいからなのです。先生が色分けして書けば子どもたちもその色を使って色分けする。先生が四角で囲えば、子どもたちも四角で囲う。つまり、単なるコピーをすればいいのです。それできれいなノートが作れたらそれで誰も文句は言わないのです。

本当に重要な学びのために必要なノートとは

しかし、重要なことは内容です。表面的な形も、汚いよりはきれいなほうがいいですが、最も重要なことは、何を学んでいるかということ。ただひたすら書き写す作業ばかりでは、本当に重要な学びは限定されてしまうでしょう。

大谷さんのお子さんは、ご質問にあるように勉強内容自体は理解できる子のようですので、ノートを取ることに意味を感じていないのかもしれません。では、このままでいいのかという問題です。学校の先生からはノートを取る指導がされ、家でも同じ話をされているため、このままでは授業中、単純なノートを取る“作業”に時間を費やしてしまうかもしれません。

そこで、次のアドバイスをしたいと思います。「ノートを取ることが楽しくなり、しかも理解力も同時につく方法」です。

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