COP19閉幕、新枠組み作りへ課題が山積 先進国と途上国の対立は決着点が見えず
ポーランドのワルシャワで11日から開かれていた国連の気候変動枠組み条約の第19回締約国会議(COP19)が23日、閉幕した。
今回は、2020年以降の次期枠組みの土台作りということもあり、クロージング・プレス・リリースは「2015年にパリで開かれるCOP21で最終合意される新たな合意に向けて作業の道筋が付いた」としたものの、CO2削減に向けた大きな成果はなかった。
あえて成果を挙げるならば、フィリピンの台風被害でクローズアップされた、温暖化に伴う異常気象、海面上昇の被害を防ぐための国際機関設立だろう。
気候変動に対する取り組みは、この数年の世界的な景気後退の中で停滞してきた。2012年に第1約束(コミットメント)期間が終了した京都議定書(1997年採択)以降の枠組みは決まらず、昨年のCOP18ドーハ合意で京都議定書は2020年までを第2約束期間として延長されたが、そこから日本も脱落。削減義務を負う国は欧州を中心に世界の排出量のわずか15%にとどまっている。
あいまいさを残す
2020年以降の枠組みは、途上国を含めたすべての国が温室効果ガス削減の自主的な目標を定め、その目標が妥当なものか、を第三者が評価する仕組みになる。
新枠組み合意に向けては、すべての国が自主的に目標・計画を決める必要がある。会期を1日延長した末に、ようやくまとまった合意文書は、目標のあり方や提出時期を巡り、あいまいさを残した。
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