日産「IDx」は若者のクルマ離れの救世主か キーワードは「コ・クリエーション」

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スポーティな「IDx ニスモ」

若者のクルマ離れを何とか食い止めたい――。

先進国でビジネスを展開する自動車メーカーが抱える悩みに、日産自動車は答えを示すことができるのか。日産は、1990年代以降に生まれた若年層をターゲットとしたコンセプトカー「アイディーエックス(IDx)」を東京モーターショーで初披露。カジュアルモデルの「IDx フリーフロー」と、スポーティモデルの「IDx ニスモ」の2タイプを揃えた。

IDxは、全長4.1メートル、全幅1.7メートル(ニスモは1.8メートル)、全高1.3メートルと、コンパクトなサイズの2ドア・セダン。日産のコンパクトカー「ノート」と比べると全長全幅は同じくらいで、車高が22センチ低い。

コンパクトカーで標準の前輪駆動ではなく、大型車やスポーツカーに多い後輪駆動を採用。エンジンは日産お得意のEVではなく、伝統的なガソリンエンジンとした。

若者と議論して開発

IDxの開発にあたって日産が重視したのは、ターゲット層である若年層のニーズをいかに的確につかむか、ということだ。

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カジュアルな「IDxフリーフロー」

開発の初期段階から数十人規模の若者たちとコミュニケーションして、意見を取り入れる開発手法をとった。日産はこれを「コ・クリエーション(共同創造)」と呼んでいる。商品のコンセプトから装備する機能に至るまで、議論を繰り返しながら開発を進めたという。

最終的に、ファッションのようなカジュアルスタイルの車と、ビデオゲームに登場するようなスポーツカーが誕生した。

このIDxは見てのとおり、コンセプトカーとは言いながらも、奇抜さは感じられない。それどころかレトロな雰囲気が満載だ。

日産は「ピュアなクルマ感、本物の持つ価値観が若者にも響いたのでは」(担当者)と分析する。モーターショーなどの場を通じて反響を調べながら、効果が見られれば、今回のコ・クリエーションの取り組みを広げていきたいという。

もっとも、IDxは若い人もさることながら、クルマがあこがれの存在である中高年のおじさんのハートもつかみそうだ。それは、開発担当者も感じているようで、「反響がよくても狙った層と違えば、開発の手法を見直さないといけない」と気を揉んでいる。

丸山 尚文 東洋経済 記者

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まるやま たかふみ / Takafumi Maruyama

個人向け株式投資雑誌『会社四季報プロ500』編集長。『週刊東洋経済』編集部、「東洋経済オンライン」編集長、通信、自動車業界担当などを経て現職

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