マウス、タッチパネルの次のデバイスは何? コンピュータを操作すること自体の概念を変えねば

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現在のコンピュータ操作を置換できるか?

一方で、「Leap Motion」で現在のコンピュータ操作を置換することはできるでしょうか? 実際にチャレンジしているエンジニアもたくさんいますが、なかなか難しいのが実情です。

それはセンサーの精度の問題というよりは、次元の違いに起因しているように思います。3次元というのは、2次元に空間軸が追加されたものですが、性質がまったく違うのです。

たとえば、マウスやタッチでの操作は、平面という「触れられるもの」が存在する2次元でのみ可能です。3次元空間は「触れられるもの」がないので、その仕組みは使用できません。それと同じで、3次元空間を操作するためにつくられたセンサーで2次元空間を操作することは、非常に難しいのです。

つまり、今、われわれに求められているのは、新たなセンサーをつくるだけでなく、新たな「操作概念」をつくり上げることです。

残念ながら、まだみんな、これまでのタッチパネルの呪縛にとらわれており、空中でタッチするように指を動かしています。しかし、3次元空間においては、それはタッチではなく、単に指を動かしているだけです。

タッチに代わる何かを生み出すことができないと、この分野がこれから急速に発展することはないでしょうが、もうすぐ見つかるかもしれません。進化が楽しみですね!

来週は、操作方法の話の続きから、ウェアラブルコンピューティングの話に進んでいきたいと思います。

Tehu 慶応義塾大学1年生・デジタルクリエーター

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てふ / Tehu

1995年、神戸市生まれ。灘中学校、灘高校を経て現在、慶応義塾大学1年生。中学生の時にプログラミングに興味を持ち、2009年にiPhoneアプリ「健康計算機」を公開。ダウンロード数が無料アプリで世界第3位となり、話題となる。以後、「放射能計算機」、劇団ひとり監修の「僕の余生。」などのアプリ制作を続ける。2010年からUstreamで「Tehuのオールナイトニホン」を放送開始。米アップルの新製品記者発表を同時通訳する番組を定期的に放送し、人気を集める。2013年、グーグル日本法人元会長の村上憲郎氏との共著『スーパーIT高校生“Tehu”と考える 創造力のつくり方』(角川書店)を発売。現在、クリエーターとして多くの企業のプロジェクトに参加するほか、講演や雑誌連載など多岐にわたって活動している。中国籍で本名は張 惺(ちょう・さとる)。日本語、英語、中国語を操る。

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