浜田内閣官房参与、アベノミクスを採点

金融緩和はAプラスだが、成長戦略はE

11月15日、浜田宏一・内閣官房参与は都内の中央大学で講演し、インフレ期待など人々の期待がそのまま実現する社会は存在しないと指摘した。3月撮影(2013年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 15日 ロイター] - 浜田宏一・内閣官房参与(イエール大学名誉教授)は15日、都内の中央大学で講演し、来年4月に消費税率が引き上げられても日銀の金融緩和による円安を通じた外需の下支えが期待されるため、大きな心配はないと述べた。

2%の物価目標が達成できなくとも景気への好影響が確認できればよいとし、岩田規久男・日銀副総裁が物価目標未達を理由に辞任する必要はないと指摘した。

消費増税、私より財務省の説得が強かった

浜田氏は消費増税に反対だったが、にもかかわらず増税が決まったのはなぜか、との質問に対し「私よりも財務省の説得が強かったため」と説明した。ただ増税が景気・物価を下押しする可能性について「私は他の(内閣官房)参与ほど心配していない」と述べ、円安を背景とした外需による効果を期待した。

さらに日銀の黒田東彦総裁は「強く消費増税を主張されたのだから責任がある」として「政策発動を期待する」と明言。追加の金融緩和を迫った。

浜田氏は大胆な金融緩和を主張するリフレ派は、家計などが将来について合理的な期待を形成するとの学派に影響を受けていると指摘。インフレ期待など「人々の期待がそのまま実現する社会は存在しない」とし、「日本銀行の物価目標2%が達成されなくても、景気がよくなればよい」との見解を示した。

アベノミクス採点、金融緩和はAプラス、成長戦略はE

昨年の衆院解散以来のアベノミクスについて、今年株価が最も上がった国が日本であることを挙げ「アベノミクスは成功しつつある」と強調。「新聞や学者はアベノミクスが失敗すると考えているが、根拠のないこと」と強調。安倍政権の開始時には3%程度あったデフレギャップが1.5%程度まで縮小しており、現在の景気回復が続けば「半年から1年後に過剰設備と失業はなくなる」とした。

デフレギャップが解消した後は「潜在成長力が引き上がらないと金融緩和は物価上昇のみをもたらす」との懸念を表明。規制緩和による成長力強化の重要性を指摘した。アベノミクスの三本の矢を大学の通知表にならって採点すると「金融緩和はAプラス、財政政策はB、成長戦略の第三の矢はE」とした。

(竹本能文 編集:宮崎亜巳、内田慎一)

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