「美人でモテない」女性と「オフィス」の共通点 【特別対談】岩崎夏海×太田彩子

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岩崎:正確に言うと、順番が違うのです。先日、太田さんがメールで「上司が言うと効果のある一言」を僕に聞いてきたじゃないですか。あれ、僕の結論は「そんなものはない」です。

太田:ないのですか?

岩崎:だって、いくら言葉を発したって人が変わるわけはない。じゃあ人間は何によって変わるかというとね、環境です。

太田:環境、つまり部屋ですね! 自分を変えようと決意しても、気を抜くとまた元に戻ってしまったりしますけど、部屋のモノを捨てるとか、ベッドの位置を変えてしまうとかいうのは、リバウンドのしようがない。職場でも同じことが言えますね。

岩崎:環境が変わると、やがてそこにいる人の内面も変わってくるのです。意識して自分を変えようと思わなくても。まず環境を変えれば、その後、内面が変わる。その順番なのです。

部屋はサブリミナルの集大成

太田:私、人材育成の仕事でいろんな会社に行くのですが、職場がきれいかどうかって、マネジメントの精度やモチベーションに直結しているなといつも思います。

岩崎:とある鉄工所の社長さんが、3代目なのですけど、家計が火の車で倒産寸前だったんですよ。先代の社長時代からいる番頭みたいな古参社員はなかなか言うことを聞いてくれないし、もうどうにもならない。

太田:難しいですよね、年上の部下って。

岩崎:それでその社長、うまく行っている別の会社の工場を、思い切って見学に行ったそうなのです。そこで彼は、工場にチリひとつ落ちてないということに気づいた。なぜ業績がいいのか、彼にはわからなかったけど、とにかく自分の工場でまねてみたと。すると、古参社員が言うことを聞いて、よく動くようになったそうです。

太田:へえ、なんででしょうね。

岩崎:少し抽象的な言い方をすると、空間をきれいにするというのは、「道」を通すということなのです。反対に「道」が通ってない状態とは、たとえて言うなら便秘のこと。ある空間にゴミなどの不要なものが堆積していると、視界の端にそれが映りますよね。言葉として頭に上ってこなくても、なんとなくこの辺が詰まっているなという気配が意識下に残り続ける。それがサブリミナル効果となって、自分自身の内面を、便秘みたいな状況にしてしまうのです。

太田:便秘じゃ、いい仕事はできませんよね。

岩崎:人間は、顕在意識(知覚可能な領域)で受け取る情報からより、サブリミナル(深層心理)で受け取る情報からのほうが、影響を受けやすいんですよ。ところで太田さん、美人が意外とモテないって、なぜだと思いますか?

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