メールで忙しい人に教えたい「読まない勇気」 森川亮「返事を書くのは大体10秒以内」

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・ccは使わない、読まない

メール固有のcc(カーボンコピー)。管理職になると必然的にメールの多くはccが占めていくようになります。

しかし、ccの存在意義が中途半端というか人によって狙いがマチマチで、「上司であるあなたをccに入れているんだから、困ったときは助けてくださいね」といった意図のccが多すぎる気がします。

もしかしたらそれは、仕事をしたふりをしたい上司が、「俺もccに入れておいて」と言ってくるケースが世の中に多いことが影響しているのかもしれません。

だからといって途中経過を逐一報告されても処理しきれないので、私はccで送られてきたメールは一切見ませんし、自分も使いません。読んでほしいならtoで送る。参考程度なら送らない。そうしたメリハリが大事です。

・24時間以内に返信

世の中にこれだけチャットアプリが普及した現代において、緊急の要件でメールを使う人はだいぶ減ったと思います。

ただ、そうはいってもメールを1週間も放置するのは問題なので、質問や提案のメールであれば私の中では24時間以内に返信することを自分なりの目安としています(もちろん緊急なものは別です)。なかには返信するために社内調整や熟慮する時間が必要な場合もあるでしょう。

そのときも「調整(検討)しますので、1週間時間をください」といったように、相手が次のアクションを取れるようにボールを一旦返すことを意識しています。それだけでも仕事はよりスムーズに進みます。

メールの情報収集も短縮化

日頃の情報収集に時間がとられている人もたくさんいます。スマホというツールがもたらすデメリットは、手元に誘惑があること。仕事のためなのか趣味のためなのか理由も判然とせず、なんとなく習慣でSNSのタイムラインやニュースサイトをチェックしている人も大勢いるはずです。

でも実際にそこで目にする情報の9割はノイズです。でも厄介なことに「時代にキャッチアップした気がする」という感覚が湧くので、罪悪感を抱くのはおろか、勉強した気になる人もいます。まったく見ないよりはいいのでしょうが、キリがないというのがネックです。

私は情報収集の時間は朝に確保しています。チェックするのは10件くらいのニュースサイトと紙の新聞。量は多いかもしれませんが、基本的には見出し読みなので、その場でじっくり読む記事は多くありません。
たとえばアメリカの雇用統計がどうなった、といった記事が配信されていたら、そこから実際に記事を読まなくても正直困りません。実際に提案書などに書く必要が出たときにあらためて具体的な数値を調べればいいだけです。雇用が上向いているか、落ち込んでいるかという大きな流れが把握できていれば十分でしょう。

私は基本的に必要なもの以外は一切読まないようにしているので、見出しをクリックするかどうかはおそらく普通の人よりかなりシビアに見極めていると思います。

「なぜ自分はこの記事を読むのか?」

「それを読むことで何を学びたいのか?」

こうしたことを自問して、はっきりとした答えが出ないものは、少なくとも今の自分には必要ではないものだと判断しています。

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