安倍首相、金委員長と「直接話し合いたい」 日朝会談を呼びかけ
[東京 8日 ロイター] - 安倍晋三首相は7日(米国時間)に開いた日米首脳会談後の記者会見で、日本人拉致問題の解決に向け、「北朝鮮と直接向き合い、話し合いたい」と表明し、金正恩朝鮮労働党委員長に会談を呼びかけた。まずは12日の米朝首脳会談でトランプ米大統領に拉致問題を提起してもらう考えだ。
安倍首相は、「拉致問題の解決は安倍内閣において最重要課題」と強調。「最終的には私と金正恩委員長、日朝の間で解決をしなくてはならないと決意をしている」と語った。
日本だけが北との首脳会談が実現できない状態
北朝鮮問題に深く関与している米、韓、中、日のうち、日本だけが北との首脳会談が実現できない状態が続いている。
ただ、日朝間のパイプは細いとみられ、実現に向けての具体的な道筋は不透明。2002年の小泉純一郎首相訪朝の交渉に携わった田中均・元外務審議官は、日本の対北朝鮮外交には「戦略が見えない」と指摘する。
安倍首相は12日の米朝会談の行方を見守る考えで、「核・ミサイル問題について、まず米朝首脳会談で前進することを期待している」と述べた。トランプ大統領からは、金委員長との会談で拉致問題を提起してもらう約束を取り付けた。
日本が持つ北朝鮮への有望なカードは経済支援。トランプ大統領も日本と韓国、中国からの支援に改めて期待を示した。安倍首相は「日朝平壌宣言に基づいて不幸な過去を清算し、国交を正常化し、経済協力を行う用意がある。できる限りの役割を果たしていく考えだ」と語った。
(久保信博※)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら