高血圧薬の不正疑惑 薬事法違反に発展か

ノバルティスの販促活動は誇大広告の疑い

スイス製薬大手ノバルティスファーマの高血圧症治療薬(降圧薬)「ディオバン」を用いた医師主導臨床試験の不正データ操作疑惑をめぐり、事実に基づかない研究結果を用いた同社による販売促進活動が薬事法違反(誇大広告)に問われる可能性が高まっている。

真相究明と再発防止策の提言を目的とした厚生労働省の検討会で、委員から「刑事告発を踏まえた議論をやったほうがいいのではないか」との問題提起があり、9月30日の「中間とりまとめ」で「誇大広告のおそれがある」との文言が盛り込まれた。

医薬品の効能効果は、国が定めた様式の添付文書に記載されるルールになっている。これは薬事法に基づく臨床試験(治験)で結果を出すことが前提だ。しかし、ノバルティスはルールが緩やかで薬事法規制対象外の医師主導臨床試験でエビデンス(根拠)が得られたとして、脳卒中や心不全などの抑制効果を『日経メディカル』など業界誌の企画広告を通じて大々的にPRしていた。

その中身はといえば、「これらの大規模臨床試験で得られたエビデンスは、いずれも一流医学ジャーナルに掲載され、実地臨床における降圧療法に大きな影響を与えた」(『日経メディカル』2012年3月号)。また「欧米・日本での大規模臨床試験におけるエビデンスは、各国の高血圧(治療)ガイドラインに大きな影響を与えた」(同6月号)というものだ。

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