300円ショップ「3COINS」が躍進を遂げた理由 売り場は"鮮度"重視、月400~500商品を投入

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今年2月に発売したカラーチケットホルダー。うちわカバーと同じく、オタクを意識して投入した商品だ(写真:パル)

初出店後しばらくは国内のメーカーや問屋からの仕入れが中心で、シーズン切れの雑貨や型落ち品も買い集めるなど、商品の確保に苦労が続いた。ただ、店舗数が増え、一定のロットで商品を供給できる体制が整った段階で、自主企画商品の比率を徐々に高めていった。

ダイソーも"300均"に参入

潮目が変わったのは、今から10年近く前のこと。「いつ、どの商品を販売するか」といった年間計画を明確に作り、スリーコインズのブランド化を推し進める戦略を確立。それ以降、出店や自主企画商品の開発に攻勢をかけ、スリーコインズの名が広く知られるようになっていった。

売上高は右肩上がりが続いている。初出店から6年後の2000年度は12億円だったが、2016年度は218億円にまで成長を遂げた。「まだ出店できていない県もある。各地域で一番の商業施設に出店していきたい」と澤井部長は意気込む。

もっとも、競合他社との競争はこの先厳しさを増すことも想定される。ダイソーを展開する大創産業は3月に300円均一の「THREEPPY(スリーピー)」を初出店。今後の出店動向次第では、顧客の奪い合いにつながる可能性もある。

アパレル発の雑貨店である強みを生かし、最新のトレンドや細かな需要をつかんだ新商品を投入し続けられるか。さらなる成長へのハードルは決して低くない。

真城 愛弓 東洋経済 記者

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まき あゆみ / Ayumi Maki

東京都出身。通信社を経て2016年東洋経済新報社入社。建設、不動産、アパレル・専門店などの業界取材を経験。2021年4月よりニュース記事などの編集を担当。

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