オンライン英会話があれば留学は必要ないか 在宅のトレーニングでどこまで対応できる?

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フィリピンのセブ島にあるQQ Englishは日本人がいちばん初めにフィリピンに作った本格的な英会話学校です。実は留学業界では有名なこの学校、日本人のニーズに合わせた特徴を持っています。オンライン英会話もその一つです。

ロンドンのカランスクールから正式認定を受けたカランメソッドを取り入れていることが強みとのこと。カランメソッドは徹底反復により英語脳を鍛え4倍の速さで英語が伸びると言われていて、短期集中型で英語を伸ばしたいというビジネスマンに人気があるそうです。

先生の質にもこだわっていて、1000人を超えるすべての教師を正規雇用し、TESOL(英語が母国語でない人向けの英語教授法)という外国人に英語を教える国際ライセンスを取らせているとのこと。授業もセブ島のITパークと言われる経済特区のインテリジェントビルから行われているため、専用の光ケーブルで安定した授業を受けることができます。

短期集中型で英語を伸ばすことはできるのか

留学に行かなくてもオンライン英会話のみで、ビジネスで通用するスキルが身につくのか?

この質問を代表取締役の藤岡頼光氏にぶつけてみました。

「英語の学習は100時間、200時間では成果が出ません。ビジネスで使えるレベルになるには時間がかかります。25分のオンライン英会話を毎日やっても1年で150時間です。オンライン授業以外の学習が大切だと思います。授業以外の予習復習もそうですが、短期留学などを組み合わせてオンライン授業以外の時間をいかに確保するかが重要だと思います。オンライン英会話だけだとビジネスで通用するレベルになるのに4~5年かかるのではないでしょうか」

オンライン英会話をきっかけに海外留学としてセブ島に来る方も多いそうで、「1週間、短い人は3~4日といった短期留学でセブ島に来る方が増えています。普段はオンライン英会話で学び、休暇を利用してセブ島留学に来て特訓する生徒さんが多いです。最近はLCC(格安航空)が発達したのでオンライン英会話で学びながら1年に短期留学を何回も繰り返す方もいます」(藤岡代表)

オンライン英会話を事前研修として活用し、その実践編としてセブ島での語学留学でアウトプットするという活用方法も有効と思われます。セブ留学もリンクしているため、オンライン英会話+超短期留学のアクティブラーニングとしての選択肢も持つことができます。

英語を1日でも早く習得したいというビジネスマンの切実な要望に応えるため、以上のオンライン英会話3社では、それぞれサービスの質の向上や多様化に取り組んでいます。いずれにせよ、利用者がオンライン英会話サービスだけでなく、海外短期留学や本気塾に通うくらいの本気度があれば、ビジネスで通用する英語力を身につけることができるでしょう。

大川 彰一 留学ソムリエ 代表取締役

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おおかわ しょういち / Shoichi Okawa

日本認定留学カウンセラー協会幹事、TAFE Queensland駐日代表。1970年京都市生まれ。セールス&マーケティングに約10年間携わり、カナダに渡航。帰国後、留学カウンセラーとして4年間で約1000名以上の留学やワーキングホリデーに関わる。その後、米国の教育系NPOのアジア統括ディレクターとして約6年間、グローバル人材育成に尽力。海外インターンシップを大学の単位認定科目としての導入に成功、東北復興プロジェクト、アジアの国際協力プログラム開発にも携わる。現在は「留学ソムリエ®︎」として国際教育事業コンサルティングや留学の情報を発信。留学ソムリエの詳細はHPFacebookから。著書に『オトナ留学のススメ』(辰巳出版)。

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