次期選挙で政権交代?民進「空回り」の舞台裏 文字どおりの絵に描いた餅…
こうした流れは民進党への回帰であると同時に、昨年10月の「小池新党結成」のプロセスの逆行ともいえるだろう。当時、民進党の衆議院選候補を振り分けた基準となったのは憲法観と安全保障についての考えだが、30日の民進党の両院議員総会でもこのことがひとつの論点となった。「希望の党のメンバーは憲法観や安全保障の考えが我々とは違う。そういう人たちと一緒にはやれない」との声も上がったのだ。
実際に民進党の中には、希望の党よりも立憲民主党へのシンパシーが強い議員も多い。両院議員総会の後に岡田克也元代表は記者に対して「野党のリーダーは枝野氏だ」と述べたのはひとつの象徴といえる。また立憲民主党との連携を模索する参議院議員数名は、両院議員総会の前に小川敏夫参議院議員会長の部屋に集まって今後の対応を協議した。
「分党を認めろ」という意見も
両院議員総会ではその他に、「様子見だ」「いまそれを決めるタイミングではない」とする意見も出た。「新党結成について賛成したわけではない。これから審議するということについて、賛成しただけだ」という意見もあった。要するに新党結成に逸る執行部以外は、実質的に進めていこうとする議員はあまり多くないということになる。
さらに合流が決まって新党協議会が開かれた結果、納得できない内容が出てくれば、「分党を認めろ」という意見も出た。しかし民進党が分党されると、いまは合流に積極的な希望の党の態度が変わる可能性もある。
「我々がほしいのは民進党の地方組織だ。民進党が分党して地方組織が割れたりすれば、何のために合流するのかわからない」と、ある希望の党の関係者は語る。地方統一選まであと1年だが、立憲民主党が順調に都道府県連を立ち上げているのに対し、希望の党では肝心の地方組織の結成がなかなか進んでいない。統一地方選の後には参議院選も控えている。すでにカウントダウンは始まっている。
だが、それよりも切羽詰まっているのが彼らの最大の支持組織である連合かもしれない。
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