都内30駅「大地震で危険度が高い」ランキング 火災や建物倒壊の危険、道路の幅にも注意

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自宅や勤め先での場合については、日頃から近くの避難所や広域避難場所を熟知している人が多いだろう。もしそうでないなら、とくに家族どうしで避難場所などをこの際確認しておきたい。自宅近くではどちらの方角の町丁目が比較的火災危険度が低いかなどを知っておくことも有用だろう。

駅のランキングを算出してみたのは、出先にいて大地震が起きたらどうするかを述べたかったためである。気が動転しがちなとき、避難所の位置のほか、得ている知識や情報が多ければ多いほど落ち着いて行動できる。

鉄道会社の対応はどうなのか。都内の駅の対応について東武鉄道に聞いてみた。大地震の場合、運行を取りやめ駅の営業を停止することになるが、その際は、「都内すべての有人駅の事務室内には、駅から自治体指定の避難場所等までの避難ルートを掲出していて、駅係員が状況によってお客様に案内できるようにしています」(同社広報部)。駅構内にいる場合なら、駅員の指示に従う。都内の東武鉄道では大師前駅を除きすべて有人駅である。

実際に下車してみると…

ランキング1位の町屋駅(筆者撮影)

ランキング上位の町屋駅、鐘ケ淵駅、東向島駅で実際に下車してみた。東武の場合駅事務室内に地図が掲げてあるというが、乗客が目にしやすい駅構内にも同様の地図を掲示してほしいところである。ただし、上記の駅では、駅を出てすぐのところに自治体が設置した詳しい地図があったので、現実的にはこれで事足りそうである。町屋駅(京成)で駅員に付近の避難所について質問したら、何やら箱を取り出してきてくれた。中には災害時に配布用の避難所(ここでは荒川自然公園)までの地図が多数入っていて、それを一枚手渡してくれた。

震災への備えはどうなのか。これも東武鉄道の例だが、「駅構内のお客様が帰宅困難者となった場合には、自治体による公民館や学校などの一時滞在施設が開設するまでの間、高齢者等の災害時要援護者を優先しながら、駅に一時待機場所を開設します。これは駅構内の安全確認が完了していることが条件になります」。

そのための食料、飲料水、寒さをしのぐアルミブランケット、床に座らざるをえないときのためのブルーシートを駅では備蓄しているという。ただしこれは駅での寝泊まりを想定したものではなく、自治体の一時滞在施設が開設されるまでを想定したものである。

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