家賃保証を疑わない人が嵌る不動産投資の罠 大金をつぎ込んで起業することと同じだ
昨年からスマートデイズ(東京都中央区)が運営する女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」に関するニュースが大きく報じられている。
かぼちゃの馬車をめぐっては、スマートデイズから「高い家賃を30年間保証する」などと勧誘された会社員らが1棟当たり約1億円の融資を受けて、一括借り上げ(サブリース)契約を締結した。ところが昨年10月に突然家賃が減額され、今年の1月からは、家賃がまったく支払われない事態に陥っている。
不動産投資は株と並んで資産運用の王道ともいえる。否定するつもりはまったくないが、現物不動産への投資(マンションやアパートを直接買うこと)は難易度が高く気軽にやれるものではない。多くの人が同じように考えていると思うが、その抵抗感を和らげるものとして使われるのがサブリース、いわゆる「家賃保証」だ。
ところが、大幅に家賃保証を引き下げられた、家賃保証を一方的に打ち切られた、といった不動産投資の中でも家賃保証に関するトラブルは何年も前から報じられている。
かぼちゃの馬車で破綻した家賃保証という仕組み
シェアハウス・かぼちゃの馬車への投資でも支払いが停止したことで大問題となったサブリースだが、本来サブリースは「家賃保証」を意味しない。直訳すると転貸(てんたい)とか又貸しという意味になる。「一括借り上げ」と表現している事業者もあるが、借り上げた不動産を誰かに貸すと考えれば意味としては又貸しと同じだ。
サブリースの仕組みは、Aさんが保有する不動産をBさんが借り、BさんがCさんに貸す、という流れになる。文字どおり又貸しだ。
その際、Bさんは入居者の有無にかかわらずAさんに家賃を払う契約を結ぶ。Cさんから受け取った家賃をすべてAさんに払ってしまえばBさんのメリットはゼロになってしまうが、入居者の有無にかかわらず家賃の85%をAさんに必ず払うといった契約ならば空き家にならないかぎり家賃の15%はBさんの儲けとなる。
Aさんは85%の家賃でも利益が出るのであれば空室リスクを気にせず賃貸経営ができる。
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