「社会貢献におカネを出す」100社ランキング 1位はトヨタで292億円、2位と3倍以上の差

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続いて経常利益に対する社会貢献支出額が占める比率(「社会貢献支出比率」)を見ていこう。バラツキをならすため経常利益と社会貢献支出額はそれぞれ3年平均で計算。さらに利益が低く比率が高くなる企業を除外するため、売上高経常利益率1%以上、ROEプラスを条件とした。

比率では岐阜の印刷業中堅が1位に

トップは総合印刷業中堅のサンメッセ(8.13%)。3年平均の経常利益2.0億円に対して1700万円を支出する。「地域社会との共生」をCSR活動の重要テーマ(マテリアリティ)に掲げ、本社がある岐阜県大垣市を中心に積極的に活動。知的障害者授産施設「ハーモニー大垣」によるパンの出張販売会の社内実施や本社野球場の少年野球や中学校等への貸し出しなどを行っている。

大垣の岐阜県立情報科学芸術大学院大学などと連携し、「多視点映像による看護技術タブレット教材」の開発といった自社技術を活用した貢献も幅広い。地元に生息する絶滅危惧IA類「ハリヨ」(淡水魚)を、岐阜県から許可を得て飼育するなど環境活動にも積極的だ。

2位は武田薬品工業の6.48%。経常利益(同社は税引前利益)394.8億円に対して25.5億円を支出する。ただし、2015年3月期の145.4億円の赤字で3年平均値が低くなっている点には注意が必要だ。3位は事務用品中堅のリヒトラブ(6.22%)。経常利益1.6億円に対して1000万円を支出する。

以下、4位大日本印刷(6.12%)、5位エーザイ(6.02%)、6位ファンケル(5.97%)、7位ツムラ(5.86%)、8位カゴメ(4.70%)、9位協和発酵キリン(4.33%)、10位フジクラ(3.98%)と続く。

日本経済団体連合会(経団連)が1990年に設立した「1%(ワンパーセント)クラブ」では「経常利益(法人)や可処分所得(個人)の1%以上を目安に社会貢献活動に支出しよう」と呼びかける。今回のランキングでは89位の三菱商事(1.00%)までが1.0%以上となっている。多くの企業でも社会貢献の支出目標を設定する際に参考となる数値だろう。

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