ヨドバシがネット通販で「漫画」を売る理由 藤沢副社長「家電より非家電の割合が圧倒的」

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――店頭で商品を見て、ネットで購入する「ショールーミング」行動を嫌がるお店もある一方で、ヨドバシは積極的に推奨しています。

2012年から、全店舗の店頭展示商品に商品バーコードをつけ、それをスマホのアプリで読み取ると、その商品の店舗ごとの価格比較や口コミが読めるようにした。自社サイトでも購入できるし、バーコードの規格に対応していれば他社のショッピングアプリも利用可能だ。

お客様の中には、帰宅後落ち着いて考えてから買いたい、他社と価格比較をした上で買いたいという人もいる。ニーズがあるのであれば、バーコードも、スマホでの商品撮影もご自由にやっていただきたい。

自前でやっていくつもり

――店舗とECが売り上げを奪い合うことにはなりませんか?

ヨドバシの旗艦店の1つであるマルチメディアAKIBA(撮影:尾形文繁)

ヨドバシカメラ全体でお客様に利用してもらえればいいという考え方を浸透させている。ECは配送費用もあるし、倉庫にも人件費がかかる。ネットが伸びるほど、利益率が上がるというわけではない。

――競合のヤマダ電機はソフトバンク、ビックカメラは楽天と組むなど、競合もECへの対応を急いでいます。ヨドバシが今後IT企業と提携することもあり得るのでしょうか。

今のところは、自前でやっていくつもりだ。売り上げはこれまで連続で拡大してきており、昨年は1000億円を超えた。旗艦店であるマルチメディア梅田、マルチメディアAkibaも抜いて、当社の中の売上高トップはECとなった。いずれはECと実店舗の比率を半分ずつにしていきたい(2016年度の全売上高に占めるEC比率は16.4%)。

印南 志帆 東洋経済 記者

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いんなみ しほ / Shiho Innami

早稲田大学大学院卒業後、東洋経済新報社に入社。流通・小売業界の担当記者、東洋経済オンライン編集部、電機、ゲーム業界担当記者などを経て、現在は『週刊東洋経済』や東洋経済オンラインの編集を担当。過去に手がけた特集に「会社とジェンダー」「ソニー 掛け算の経営」「EV産業革命」などがある。保育・介護業界の担当記者。大学時代に日本古代史を研究していたことから歴史は大好物。1児の親。

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