AI(人工知能)がかかわるのは、頭脳の領域です。それを考えると、たとえ高度で専門的な知見を持つ職業であったとしても、将来がずっと安泰で保証されるということはありえません。
「士業」の職種も、もはや聖域ではない
その専門的な仕事の代表格が弁護士や公認会計士、弁理士、税理士・司法書士、行政書士などの、いわゆる「士(サムライ)業」と呼ばれる職種の人たちです。AIはすでに極めて高度な知力を有しているうえに、なお日々の学習によって進化を続けているので、職業的なエリートといわれる士業の業務であっても、AIの普及によってその大半が代替可能になっていくのは避けられない流れにあるのです。
弁護士は一部のエリートにしか手の届かない高度な専門職ですが、その主たる業務である訴訟(裁判など)案件についても、AIが相当の割合で代替できるということがわかってきています。
訴訟に関する学習を重ねてきたAIであれば、過去の膨大な判例をすべて記憶しているので、これまで人が相応の時間を割いて調べていた判例を瞬時に見つけ出すことができるのです。AIは余計な感情に左右されることもなく、迅速かつ正確に訴訟における戦術を構築し、最善の結果を導き出すための判断ができるというわけです。
これまでの訴訟の過程で費やされていた多くの時間がAIの導入によって節約できるとなれば、弁護士の仕事の生産性そのものは大幅に引き上げることができるでしょう。しかしその一方で、多くの弁護士が不要になるという事態は想定しておかねばなりません。
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