日経平均は小幅に4日続落、円高が重し FOMCなど複数のイベント前に様子見ムード

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 1月29日、東京株式市場で日経平均は小幅に4日続落となった。前週末の米国市場で主要株価3指数が過去最高値を更新したことが支えとなった一方、米国で複数の重要イベントを控えていることから買い一巡後は様子見ムードも強まった。写真は都内で2015年7月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 29日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は小幅に4日続落となった。前週末の米国市場で主要株価3指数が過去最高値を更新したことが支えとなった一方、米国で複数の重要イベントを控えていることから買い一巡後は様子見ムードも強まった。1ドル108円台と円高基調を続ける為替が重しとなって、利益確定売りに押された。

朝方の日経平均は反発して始まった。米国株高に加え、ファナック<6954.T>、信越化学<4063.T>の好決算も指数の押し上げに寄与した。米フィラデルフィア半導体指数<.SOX>が3%を超す上昇となったことを背景に、国内半導体関連株が堅調に推移。日経平均ボラティリティ―指数<.JNIV>は一時17.28ポイントまで上昇し、取引時間中としては12月6日以来の高水準を付けた。

もっとも、30─31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や30日の米トランプ大統領の一般教書演説を控えて、買い一巡後は「様子見ムードが強まった」(国内証券)。後場には先物でまとまった売りが出て、窓を空けながら上げ幅を縮めて寄り付いた。その後は前営業日比での横ばい圏内でもみあい、戻りは鈍かった。

今週は米国で雇用統計など重要指標の発表が相次ぎ、来週には暫定予算の期限も迎える一方、日米の決算は来週にかけて一巡する。「米政治・経済を巡って不透明感が高まりやすい中で、企業業績の面で材料が乏しくなってくる。世界の株価は年初からの上昇ペースが速かっただけに、ある程度のスピード調整は自然」(みずほ証券の投資情報部部長、倉持靖彦氏)との見方が出ていた。

TOPIXは前週末比0.06%高だった。東証1部売買代金は2兆5939億円。東証33業種中、上昇率トップは石油・石炭で、化学工業、卸売がこれに続いた。値下がりでは建設がトップ。これにパルプ・紙、陸運が続いた。

個別銘柄ではセレス<3696.T>、GMOインターネット<9449.T>など仮想通貨関連株が上昇。取引所大手のコインチェックが26日、約580億円分の仮想通貨NEMが外部からの不正アクセスで流出したと公表し、返金の方針を示した。今後、事業環境の整備により、仮想通貨の普及が加速するとの思惑が膨らんだようだ。

東証1部の騰落数は、値上がり1129銘柄に対し、値下がりが828銘柄、変わらずが102銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値     23629.34 -2.54

寄り付き   23707.14

安値/高値  23580.17─23787.23

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1880.45+1.06

寄り付き     1881.38

安値/高値    1877.7─1889.11

 

東証出来高(万株) 132628

東証売買代金(億円) 25939.94

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