バニラエア、出直し格安航空のジレンマ ANAのLCC子会社、合弁解消から本格始動へ

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ANAホールディングスがエアアジアとの合弁を解消して、100%子会社化したのは今年6月。経営方針をめぐる対立や、搭乗率が上がらなかったことなどが背景だ。それだけに、今回の体制刷新で、新生バニラエアは従来のエアアジア・ジャパンの弱点を潰してきている。

プラス2500円で払い戻しに対応

一つはWEBサイトの刷新だ。従来はエアアジアの本国であるマレーシアのシステムを流用し、使い勝手が悪いという指摘があったため、独自システムを導入するとともに、「簡単で操作しやすく、運行状況や実績のタイムリーな発信などもできるようにした」(バニラエアの近藤寛之営業部長)。

販売ルートもWEBサイトに加えて、電話対応窓口の予約センターを新設。また、一定の手数料を払えば、国内線なら出発の40分前まで、国際線は同60分前まではインターネットで予約変更ができる仕組みなども導入する。

運賃は基本的な料金に2500円を上乗せすると、払い戻しに対応するとともに(別途、手数料3000円が必要)、20キログラムまでの預かり手数料や座席指定が無料などとなるプランもそろえる。

ただ、バニラエアにとっては、順風満帆な“出直し”ではない。 

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