胸のサイズが大きいことは、いいことなのか

ターニングポイントは1967年だった

現代人からすれば、下がわいせつなら、上もわいせつだろと、頭隠して尻隠さずの状態に困惑してしまうだろう。何がわいせつかという議論は横に置くにして、こうした事象からも日本人はおっぱいに対する関心が低かったと著者は指摘する。

肉感的な魅力に日本人男性が惹かれていくのはいつか。明確になるのは戦後だ。ハリウッド映画の影響が大きく、当時、性的魅力にあふれた女性は「グラマー」と称された。興味深いのは当時の「グラマー」はあくまで性的魅力を示す言葉で、おっぱいが大きいというイメージを多くの日本人は持ち合わせていなかったとか。ここにも日本人のおっぱいへの関心の低さがうかがえる。

1959年には日本人女性が始めてミス・ユニバースで優勝。小柄でもグラマーと言うことで小さくても高性能な日本のトランジスタになぞった「トランジスタ・グラマー」という言葉が大いに流行った。

ターニングポイントは1967年

大きなおっぱいを語る上で、ターニングポイントになるのが1967年と著者は強調する。日本の歴史始まって以来、初めて大きな乳房を表す言葉「ボイン」が誕生したという。ボインは人気テレビ番組「11PM」で大橋巨泉がアシスタントの朝丘雪路を見て発したなど起源は諸説あるが、巨泉の発言により、「ボイン」はまさにその言葉の持つ弾力性のごとく世に広まっていったのは確かなようだ。

面白いのは、この年をピークに「大きい胸が魅力的」という概念が古くさいものになっていったとか。60年代後半の欧米のユニセックスなファッションの影響もあり、細さを求める動きが出てきたほか、「胸の大きな女性は知能指数が低い」という俗説がボインブームを急激にしぼませたという。

今ならば「そんな馬鹿な」と一蹴されそうだが、アメリカの学者が実験結果を伴い発表したことで日本の医者やマスコミも追随。この俗説の爪痕は深く、実際、今でもグラビア出身のアイドルはバカっぽさを全面に押し出しデビューする。数年するとなにごともなかったかのよに普通に話しているが。彼女たちの最初のバカっぽい振る舞いも、大衆の「巨乳はバカ」というまなざしを意識してのことだろう。

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