「SNSは社会を分裂させる恐れ」オバマ氏 「小国乱立の社会を作ってはならない」
[ロンドン 27日 ロイター] - オバマ前米大統領はBBCラジオが27日放送したインタビューで、ソーシャルメディアを使ったコミュニケーションは社会を分裂させる恐れがあり、各界の指導者らは人々が個人の偏った見方で満足してしまわないようにしなければならないと述べた。
番組では英国のヘンリー王子がゲスト編集長を務め、9月にオバマ氏にインタビューした。
オバマ氏は以前にも、ソーシャルメディア上で人々は複雑な事項について即決してしまう危険をはらんでいると警告している。普段からツイッターを使うトランプ米大統領を批判することは控えた。
インタビューでオバマ氏は「指導的立場にいるわれわれはみな、インターネット上で共有できる場を再現する方法を模索しなければならない」と述べた。「インターネットの危険の一つは、それぞれが全く異なる現実を持っていることだ。偏った見方を強化するような情報に囲まれて満足しきってしまう可能性がある」と指摘した。
また、ソーシャルメディアは多様な見方を促すべきであり、「小国乱立の社会を作ってはならない」と発言。オンライン社会をオフラインに転換することで、多くの課題がチャットルームでのやりとりよりも複雑であることが分かるだろうとの見方を示した。
オバマ氏はまた、気候変動問題などについて長期的に取り組む意向を示した。「ヒューストンからフロリダの一部、そして今はプエトリコを破壊したハリケーンなど最近起きた悲惨な出来事があるだろう。これらの問題の対応は今、私の直接的な責任ではないが、気候変動の結果ハリケーンや自然災害の頻度が加速するようなことがないように向こう20年間取り組める。長期的なアプローチをとれることはとても贅沢だ」と述べた。
一方、ヘンリー王子は、米女優メーガン・マークルさんとの来年の挙式にオバマ大統領を招待するかとのBBCの質問に対して「分からない。招待状や招待客一覧はまだ準備していない。(オバマ夫妻が)招待されるかは誰にも分からない。サプライズを台無しにしたくない」と述べた。英大衆紙サンは26日、英政府がヘンリー王子に対して、トランプ大統領を怒らせないためにオバマ夫妻を招待しないように要請したと報道している。
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