ラーメンがミシュランのお墨付きを得た軌跡

1つ星を獲得するまでの道のりは快挙の連続

私はこれまで、「ミシュランガイド」に掲載される店舗と聞けば、料理のクオリティ以前の話として真っ先に、値段が途方もなく高いお金持ち御用達の店、というイメージを抱いていた。確かに、以前の「ミシュランガイド」は、財布に数枚の1万円札かゴールドカードでも忍ばせていなければ扉を開くことすらためらわれる高級店ばかりを掲載していた。また、それがこのガイドのアイデンティティだったとも言える。

多くの方がご存じだと思うが、「ミシュランガイド」とは、「ミシュラン」というフランスのタイヤ会社が、自動車を運転する人々に向けて発行するガイドブック。中でも特に有名なのが、レストランやホテルのガイドだ。格付けを行い、レストランやホテルを掲載するのだ。

レストラン・ホテルガイドは、「ミシュラン」の本社があるフランス国内を中心に、日本、アメリカ、ヨーロッパなどの各都市で発売されている。1900年に初めて発行されてから、100年を超える歴史を誇る、権威あるガイドブックだ。

レストランについては、料理の味を☆印で3段階、快適さ・サービスをフォークとスプーンの印を用いて5段階で評価している。たとえば、☆印については、

☆  :その分野で特においしい料理
☆☆ :極めて美味であり遠回りをしてでも訪れる価値がある料理
☆☆☆:それを味わうために旅行する価値がある卓越した料理

という具体的な基準を設け、その基準に沿った形で審査員による厳密な評価が行われている。

「ミシュランガイド」は、言うまでもなく、「食」を格付けする書籍の最高峰に位置する。☆印が付かない場合もあるが、それでも、掲載されるだけで一定の評価が得られていることの証明になるとさえ言われ、このガイドに掲載されれば、「あなたのお店は良い店ですよ」というお墨付きが与えられたものとみなされる。

ミシュランがラーメン専門店に星を付けた

そんな「ミシュランガイド」が、冒頭に述べたように、近年、大衆食の代名詞のような存在と認識されてきたラーメン専門店を掲載し始めた。

2014年12月5日に発売された『ミシュランガイド東京2015』から「ラーメン部門」が新たに設けられ、22軒のラーメン専門店が「ビブグルマン」カテゴリーに属する店舗として掲載されたのだ。

「ビブグルマン」とは、「ミシュラン」のマスコットキャラクターである「ビバンダム」の愛称(ビブ)に、「欲張り・食いしん坊」といった意味のフランス語(グルマン)を掛け合わせた造語。「ミシュランガイド」の評価指標のひとつであり、☆印は付かないが、コストパフォーマンスが高くおすすめできるレストラン・飲食店に与えられる賞だ。

グルメ界はもとより世間は、驚きをもって、その事実を受け止めた。各種メディアは、「ミシュランガイドに、B級グルメの代表選手であるラーメンがついに登場」といった見出しを付けてこの話題を採り上げた。今でもインターネットで検索をすれば、その当時の熱気を窺い知ることができる。

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