乾燥地獄を乗り切る「最適な保湿剤」の選び方 低刺激や無香料ならいいわけでもない

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高いからといって、安全だとか効果的だという保証もない。「皮膚科医推奨」と書かれた商品は値段が張ることが多いが、「その表示には何の意味もない。推奨する皮膚科医が100人いるのか、10人なのか、それともたった1人なのか」と、シュは問いかける。シュの研究チームの評価では、最も高価な保湿剤は、最も多くのアレルギー物質(NACDGのリストにある8成分)を含んでいた。

オリーブオイルの意外なマイナス効果

合成添加物を避けるために、「オーガニック」とか「オールナチュラル」と表記された保湿剤を手に取る消費者もいるかもしれない。しかしこれらの保湿剤は、「必ずしも(アレルギー)反応を引き起こす可能性が低いというわけではなく、保湿性もさほど高くないかもしれない」と、シュは言う。

たとえば、オリーブオイルは肌からの水分の蒸発を増やすと、シュは指摘する。一方、最も保湿性が高く、アレルギー成分が含まれていない可能性が高いのは、ヒマワリ油、ココナツ油、そしてシアバターだという。

クリームや軟膏よりも水分の多い保湿ローションは、ほとんどの人にとって効果的で価格も手頃だ。肌に吸収されなかった分はすぐに蒸発するし、多くの消費者が嫌がるベタベタした感覚も残らない。超乾燥肌の人は、クリームか軟膏がいいかもしれない。保湿性が高い分、ローションよりも使用頻度が少なくて済むから、全体としてみればコストも悪くない。クリームは軟膏よりは水分があるので、ベタベタの軟膏とさらっとしたローションの中間といったところだろう。

保湿剤を使う理想的なタイミングは、入浴後。タオルで体を拭いて、湿った皮膚に塗れば、入浴で得た水分を肌の中に閉じ込めることができる。ただし、お風呂やシャワーは熱すぎない温度にするのがポイントだ。

(執筆:Jane Brody記者、翻訳:藤原朝子)

© 2017 New York Times News Service

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