「年末進行ストレス」を軽視してはいけない 社員の負担を減らすために会社がすべきこと

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1年で一番ストレスのたまりやすい時期です(写真:EKAKI / PIXTA)

多くの企業の人材開発ニーズと日々向き合っている米人材開発支援会社、コーナーストーンオンデマンド。今回はその経営陣のブログから、年末年始のホリデーシーズン前の繁忙期に、社員が抱えがちなストレスを減らす方法を紹介します。

残業、決算業務、長い行列、ひっきりなしの来客……1年で一番楽しいはずのホリデーシーズンはプライベートでも仕事でも、1年で一番ストレスのたまりやすい時期でもあります。新人の店員であろうと、フォーチュン500企業の社長であろうと同じです。

事実、この年末進行の時期、従業員は普段よりもストレスが70%増加するという調査結果が出ており、1年でも重要な時期のパフォーマンスを考えれば、多くの職場にとって好ましくない兆候です。米コンサルティング会社タワーズワトソンによれば、ストレスレベルの高い従業員の半数以上が仕事へのエンゲージメントが低いのに対し、ストレスレベルの低い従業員の場合、エンゲージメントが低い人の割合はわずか1割です。

社内パーティは一時の気晴らしにすぎない

多くの会社はハッピーアワー、職場でのプレゼント交換、社内パーティなどを企画し、ホリデー気分を盛り上げることで、この時期のストレスを乗り切ろうとしています。昔からのこうした習慣はお楽しみでもあり、意義のあることでもありますが、従業員を守るというよりは一時の気晴らしにしかすぎません。企業のリーダーはこの際、もっと意味のあるホリデーギフトを贈るべきです。すなわちストレスに対処するためのツールです。

数年前、私の会社、コーナーストーンオンデマンドでは、ストレスを取り除くことはできないまでも、それをコントロールする方法を学べるのではないかという前提のもとで、社内ラーニング管理システムに「ストレスマネジメント」カリキュラムを導入しました。もともとホリデーシーズンのために特別に考案されたものではなかったものの、今では年末が近づくとマネジャーたちがチーム内でこのカリキュラムを共有するのがコーナーストーンの慣例のようになっています。

リーダーは部下のストレス対策について、少し時間を割いて考えてみるべきです。コーナーストーンのようなカリキュラムを作成するなり、昼下がりにワークショップを企画するなり、単にストレスに対処するためのちょっとしたヒントをメールするだけでもいいのです。

どのようなやり方をするにせよ、この時期のストレスにどのように対応すればよいのか、年末の忙しさで疲労困憊してしまわないよう結束を強化する方法について、コーナーストーンでのプログラムの実施を通じて私たちが学んだいくつかの教訓をご紹介しましょう。

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