会社員の「副業願望」を軽く見てはいけない ついに厚労省も容認に動き出す

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3つの理由のうち、働き方改革の影響は特に大きいといえそうです。CCCの調査によると各企業において残業は相当に減ってきているようです。最も多かった回答は「残業がない」が24.9%、続いて「5時間未満」が20.2%。全体でみると毎月の残業時間が20時間未満であるとの回答が実に7割にも及ぶのです。

若手社員からすれば、勤務している会社で働くだけでは物足りない、何か新しいことに挑戦したいと考える環境にあるといえるのかもしれません(若手だけではないかもしれませんが)。

新たな人材の流動化

こうした状況に対応して、企業は兼業・副業の解禁を決断する方向に舵を切るべきではないでしょうか? 長時間労働をしてただ収入を増やすという生き方もあるでしょうが、兼業・副業をすることで人生を豊かにする意義を感じることができるという面は非常に大きいと考えます。

未曾有の採用難という状況下、会社は若手社員が辞めないように、職場環境の見直しに取り組まざるをえない時代になってきました。こうした中、兼業・副業を認める会社は今後増えていくに違いない……と筆者は考えます。

ならば、兼業・副業をしたい人材を会社が有効活用してビジネスを展開することを考えてみるのはどうでしょうか? たとえば、正社員では採用が難しいといわれる職種で副業・兼業の人材を活用するのです。販売支援や経営企画など、人材紹介会社に依頼しても紹介はゼロで頭を痛めている会社はたくさんあります。ならば、その足りない人材を兼業・副業を希望する人で補うのです。

すでに「スポットコンサル」という名称で兼業・副業をしたい人材を多数登録して紹介する専門会社が何社も登場しています。就業規則の見直しをする会社が増えて、兼業・副業をしたい人材が増えることで、新たな人材の流動化が生まれて、今までにない会社の成長につながることを期待しましょう。

高城 幸司 株式会社セレブレイン社長

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たかぎ こうじ / Kouji Takagi

1964年10月21日、東京都生まれ。1986年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。1996年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(東洋経済新報社刊)など。

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