あのビリギャルが30歳でたどり着いた新境地 小林さやかが「ママの支援」を始めたワケ
「日本のお母さんって、子どもが家に帰ってきたら『手を洗いなさい』『勉強しなさい』って言ってしまいがち。英語に直すと、『You must study』。つまり、主語が全部『あなた』なんです。でも、そういうメッセージばっかり押し付けると、子どもは次第に親の顔色をうかがって嘘をつくようになるし、避けるようになる。大事なのは、“Iを主語にしたメッセージ”。『I love you』ってちゃんと言ってあげることが、子どもの自己肯定感を育む一番の栄養になると思います」
『ビリギャル』は決して受験の話ではなく、「家族の話」なのだと小林さんは解説する。
「よくネットではもともと私が進学校にいたからと書かれたりしますが(笑)、そんなことははっきり言ってどうでもいい話。私が慶應に合格できたのは、お母さんが私のことを信じてくれたから。それに尽きます。子どものことを愛することはできるけど、信じ切るのはすごく難しい。でもそれがとても重要なんです。そんなことを講演会や『渋谷でママ大学』のような活動を通じて発信していきたいなと思っています」
大切なのは、正しい子育よりも“楽しい子育て”
子どもでもなく、親でもない。そんな中間の立場にいる自分だから伝えられることがある。そう小林さんは語る。今、子育て中のママたちへ、そしていつかママになる女性たちへ、小林さんが伝えたいことは1つだ。
「一番大切なのは、自分自身がイキイキと過ごすこと。子どもの世界ってすごく狭いんです。周りにいる大人は先生と親だけって子も多い。正直に言うと、私は中高の頃、こうなりたいと思えるような大人が周りに一人もいなくて、ずっと大人になるのが嫌だった。でもこうやって社会に出てみたら面白い大人がたくさんいて。もっと若いときにこういう素敵な大人たちと出会っていたら、間違いなくもっと楽しい人生になっていたんだろうなって思う。子どもにとって一番の英才教育は、最も身近な大人である親が自分の人生を楽しんでイキイキすることだと思います」
それは何も特別なことじゃない。身近な一つ一つのことから楽しむ気持ちが重要なのだ。
「例えば『初めて梅干しを漬けてみた』、でもいいと思います。もちろん失敗したって全然オッケー。それよりも試行錯誤しながら何かに挑戦したり、一生懸命何かを楽しもうとしている姿を見せる方が、100回『勉強しろ』って言うよりも、子どもたちに『自分も何かやってみよう』と思わせることができます。大切なのは、正しい子育よりも“楽しい子育て”。そう伝えたいですね」
小林さんもまたそんなふうに新しいチャレンジを楽しんでいる大人の一人だ。
「今一番やりたいのは、本を書くこと。私、まだ自分で本を書いたことがないんです。だからいずれやってみたいなって。そのときは、自分で考えて行動を起こせば、いかようにでも道は開けるということを伝えたい。やりたいことは他にもいっぱい。私自身が、皆さんに胸を張ってお話しできるよう、いつまでも自分の人生にワクワクしていたいです」
そう締め括った小林さん。過剰なまでに正しさを求められる今の時代だからこそ、小林さんの語る「正しいより、楽しいことを大事にしたい」というスタンスを見習ってみると、もっと毎日が輝いて見えるのかもしれない。
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