日本人が知らないサウジ王族の「超金満生活」

月給3000万円、バカンスは1000人が同行

このほか、結婚や宮殿の建設の際には、100万〜300万ドルのボーナスが支給される。この結果、当時の国家予算400億ドルのうち、約5%に相当する約20億ドルが王族に渡っている計算になったという。

サウジ王族の散財ぶりをめぐっては、毎年夏の南仏へのバカンスが話題になる。2015年には同行者を含めて約1000人で3週間滞在し、約6800億円を使ったようだと伝えられた。大型ヨットに高級シャンパンがばんばん開けられ、夏の一時を過ごしたが、治安やプライバシーを理由に海岸から締め出された地元民からは反対運動も巻き起こった。

銀行からの借入金を踏み倒すのは日常茶飯事

有力王族は、固定給だけでは必要な資金は賄えない。政治力はカネと直結するためだ。政府に圧力をかけて国有地の提供を受け、それを不動産開発会社に高額で転売して巨利をむさぼったり、自身の関連会社と不当に高額な契約を結ばせたりするケースが知られる。

欧米の軍需企業との兵器購入での実質的な賄賂も横行してきた。2007年には、英防衛関連大手BAEシステムズが元駐米サウジ大使のバンダル・ビン・スルターン王子に、10年間で10億ポンド(約2400億円=当時)以上の裏金を支払っていたと報じられている。

王族が銀行からの借入金を踏み倒すのは日常茶飯事で、王族のメインバンクであるサウジ国立商業銀行は破綻寸前に至ったこともある。前出の米外交公電では、銀行幹部の話として、銀行側は王族を4階級に分けていたという。

最高位はすでに巨万の財産を保有しているため、資金の借り入れをそもそも求めてこない有力王子たち。2番目が日常的に借り入れを求めるため、銀行側は他行の預金などを担保とするよう内部に周知。3番目は銀行側も資金の貸し付けを拒否する王族で、4番目は実際には王族に属さない取り巻き連中で、相手にするべき対象ではないという。

こうした汚職問題には国民の不信のまなざしが向けられ、2005年に即位したアブドラ・ビン・アブドルアジーズ前国王の時代から手がつけられ始めた。前国王は「肩に汚職問題がのしかかったまま(イスラム教で死後に迎えるとされる)最後の審判にかけられたくない」と兄弟たちに語っていたといわれる。

王子や王女に対する高級ホテルのスイートルームでの無料宿泊や、国営航空サウディアの同行者に対する無制限の無料チケットといった特権が剝奪された。当時のムハンマド・ビン・ナーイフ内相の妻が特権を行使して随行者12人とともにサウディアに搭乗しようとしたところ、「新ルールで無料になる同行者は2人までです」と断られたという。

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