山手線でプロレス!夢の貸切列車の舞台裏 東京駅も通過、ノンストップ1時間のお祭り

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30回目の今回は山手線の最新型E235系が使われた(筆者撮影)

晴れやかな1日駅長任命式が終われば、いよいよノンストップ山手線「夢さん橋号」への乗車である。大崎駅前には、抽選で当選した1000人以上の参加者が長い行列を作る。JR大崎駅からも複数の駅員が”出動”し、安全かつスムーズな誘導に向けて準備万端。列車が発車する15分ほど前から、自動改札横の団体客用入場口を通ってホームへと案内されていく。

行先表示器に「団体」の文字を表示したE235系に、次から次へと参加者たちが乗り込んで、思い思いの場所に陣取る。11両の長い車両は、あっという間に参加者たちでいっぱいに。子ども連れの家族が大半で、今から始まる山手線1周ノンストップの旅に思いを馳せ、興奮は出発前からもはや頂点。そしておおよそ14時半に1日駅長中谷さんの「出発進行!」の声のもと、列車は動き出す。

なんと車内でプロレスも

走り始めたノンストップ「夢さん橋号」。”ノンストップ”の名のとおり山手線を1周するけれど、途中駅で扉が開くことはない。ダイヤ上の都合でわずかに停車する駅もあるが、大半の駅は速度を落としたままゆっくりと通過していく。車内の参加者たちは、渋谷・新宿・池袋・上野・秋葉原・東京の各駅通過時にホームの一般客たちに手を振るのがこのイベントの”お約束”だ。

「みなさん、思い切り手を振ってくださいね。きっとホームの人たちはびっくりするから。乗れると思った列車の扉が開かずに、中からたくさんの人が楽しそうに手を振ってるんですから」

車内でライブを行った白雪ありあさん(筆者撮影)

綱嶋さんは、最後尾の11両目から車内放送で参加者に呼びかける。確かにその言葉のとおり、ホームで電車を待つ人たちは呆気にとられた表情。手を振り返してくれたのは、外国人観光客とおぼしきグループくらいなものだった。

車内でのイベントはこれだけではない。鉄道アイドル・白雪ありあさんが先頭の1号車側から最後尾に向かって練り歩きながらのリサイタル。さらに女子プロレス団体「アイスリボン」のメンバーが見せる前代未聞の”山手線プロレス”には参加者たちもやんやの喝采だ。

大崎警察署から参加したピーポくんが車内を歩けば、子どもたちは飛びつくように大興奮だし、大崎駅長に帽子をかぶせてもらっての記念撮影も大人気。ほかにもダンスあり、音楽あり、じゃんけん大会あり……と、普段の通勤電車・山手線の車内がパーティ会場になってしまったかのような”お祭り騒ぎ”が続く。

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