神戸鋼不正拡大、自主点検の信頼性に疑問符 2週間程度で安全性の検証結果を公表へ
[東京 20日 ロイター] - 神戸製鋼所<5406.T>は20日、製品の性能データ改ざん問題で、不正行為が明らかになったにもかかわらず、自主点検や緊急監査の際に報告していなかった事案があったと発表した。一部管理職を含むグループ従業員が行っていたという。自主点検の信頼性にも疑問符が付きかねない状況だ。
会見には、梅原尚人副社長、山本浩司常務執行役員、勝川四志彦常務執行役員が出席。川崎博也会長兼社長は、体調不良のため出席しなかった。会見に出席した3人は、一連の不正について「全く知らないし、関与していない」と述べた。
隠蔽(ぺい)は、10月8日にアルミ・銅事業のデータねつ造を発表した後も行われていた。検査妨害に関与した数人以外の人がどれだけ知っていたかは、現在調査中。
梅原副社長は「即座に、これまでの自主点検や緊急監査のやり方が無効とは思っていない。他部署が検査するのでそれなりの客観性、有効性はある」としながらも「今回の内容を分析して、今後のやり方を考えたい」と述べた。
同社では、社内に設置している「品質問題調査委員会」に代えて、複数の外部委員のみからなる外部調査委員会を設置するとした。
ビジネスへの影響、「ある」
データねつ造などが事業に与える影響について、梅原副社長は「現時点で、ビジネスに影響がないかと言うと、それはある」と述べた。
現時点で、賠償請求や訴訟はないものの、納入先で発生しているコストについて「その負担を数社から求められている」ことを明らかにした。また、「定量的には程度は読める状況ではない」ものの、神戸鋼の材料を使わずに、他社に注文を変えるという話もあるという。