就活で動く「リクルーター」たち、その表と裏 「ハンター型」「OB・OG型」「メンター型」

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そう聞くと、ちょっと気後れしてしまうかも知れませんが、入社後のミスマッチを望まないのは、学生の皆さんも同じ。仕事が厳しそうだと感じたり、気になったりすることがあれば、むしろそれを口にし、詳しく聞いてしまいましょう。その一歩の踏み込みが、自分とその企業や仕事とのマッチ度を測ることに繋がるでしょう。より具体的な働き方等に関する質問は、その企業への関心の高さを表現できる効果ももたらします。

「メンター型」のリクルーターも、ハンター型ほどではありませんが、一定の研修を受けて準備をしています。学生の気持ちに寄り添ってくれる心強い存在ですが、学生を見極めるよりも、動機付けの役割が強いようです。基本的に企業の採用活動のサポートをする立場なので、選考や採用の可否に関する不用意な発言は人事に口止めされていることが多く、慎重な発言に終始する人も少なくありません。

本音に近い部分で話を聞きたい場合は、後ほど説明をしますが、聞き方を工夫する必要がありそうです。そのかわり、就活における悩みを解決する手助けをしたり、自分が就活をしたときの経験などを教えてくれたりすることが多いようです。

ほんの少しの工夫で情報を引き出す

「OB・OG型」のリクルーターは、そもそも採用とは無関係に学生と会っていることもあり、さほど構えずに”素”で語ってくれる傾向があります。お互いに利害なく話ができるので、どんな質問もしやすく、相手も本音で答えてくれるでしょう。3者の中で一番いろんな種類の人がいるのもこのタイプ。会う人の仕事にもよりますが、採用活動から遠い所にいるということもあり、採用選考に関する正確な情報はあまり引き出せないかもしれません。

就活前に会える社会人の3タイプそれぞれによって、面談の雰囲気や質問に対する答えには特徴があります。注意してみると、相手がどのタイプなのか、わかることもあるでしょう。

OB・OGも含めたリクルーターとの接触は、就活が本格化する前に、その企業で働く人と会えるチャンス。直に話ができる機会を生かさない手はありません。しかし、質問の聞き方や、質問に対する回答のとらえ方を間違えると、悪印象を与えてしまったり、企業に対して間違ったイメージを持ってしまったりすることもあります。

ほんの少しの工夫で、得られる情報が全く変わってくるので、それを意識した方がよいでしょう。まず意識しなければいけないのは、あくまで「個人」に話を聞いているということです。

リクルーターを配置している企業は、リクルーターに対してまとまった時間を取って、研修を行うなど、入念な準備をしています。学生に対して、自分の企業や仕事についてわかりやすく話をするため、自分の社会人経験について振り返りをさせ、それを自分の言葉で語れるようにするトレーニングをしていたりします。彼らが語る自社の魅力は、実感のこもったその人自身の言葉だと言えます。しかし、逆に言えば、あくまでも一社員の見解だということも心に留めておきましょう。

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